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中古住宅の売買契約時の注意点(1)

中古住宅の購入申し込みから引き渡しまでのスケジュールと諸費用(2/2ページ)

佐藤ゆみ佐藤ゆみ

2016/01/06

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●ステップ2 住宅ローンの仮審査
頭金が少ないなど資金に不安がある場合は、ステップ1を進めている間に住宅ローンの仮審査(事前審査)を行ないます。個人で直接金融機関に当たることもできますが、通常は不動産会社の担当者に年収等を伝え、その不動産会社とツテのある金融機関に希望の融資額が通りそうかどうか確認してもらいます。

仮に希望の融資額に届かない時は、親戚などから資金を調達したり、別の金融機関で再度仮審査を行ったりするなどして、資金の目処を立てます。資金の目処が立たない場合は次のステップである不動産売買契約を結べません。

売買契約と住宅ローンの申し込み
●ステップ3 不動産売買契約の締結・住宅ローンの申し込み
住宅ローンの仮審査の結果、希望の融資額が通りそうだと判断されると、契約日を決めて不動産売買契約を結ぶことになります。同時に住宅ローンの申し込みを正式に行ない、審査の結果を待ちます。

不動産売買契約時には、「手付金」が必要になります。手付金は、買い主の勝手な都合で契約を破棄することを防止する意味合いのお金であるため、万が一、解約する場合には返金されません。物件価格の10~20パーセントが相場ですが、特に規定があるわけではないので、手持ちの資金が不足する場合は交渉の余地があります。

また、併せて不動産会社に対して仲介手数料の半金を支払うことが多いようです。仲介手数料の上限は、消費税を除く物件価格×3.24パーセント+64,800円です。こちらも手持ちの資金が不足する場合は、住宅ローンが下りるまで待ってもらえることもあるので相談してみましょう。

●ステップ4 融資の実行と売買代金の決済、所有者移転登記の確認
住宅ローンを申し込んでから2~3週間で審査の結果が出ます。審査に通ると、融資が実行され、「残金決済」が行なわれます。残金決済は、売り主・買い主・不動産会社・司法書士が融資先の金融機関に集まり、金融機関の担当者のもと行なわれます。

買主の口座にいったん借入全額が振り込まれ、その後、購入代金の残金と固定資産税の買主負担分が売主側の口座に、仲介手数料の残金が不動産会社の口座に振り替えられます。

すべての決済が完了すると、買主に権利が移り、その場で売主から買主に鍵が引き渡されます。同席した司法書士は登記の変更に向かい、1週間程度で、買主のもとに新たな登記簿が郵送されます。

なお、住宅ローンの審査に通らず、融資が下りなかった場合は、通常、不動産売買契約書に「住宅ローン特約」の条項があり、ステップ3で支払った手付金は全額返金されます(契約自体がなかったものになります)。

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この記事を書いた人

宅地建物取引士、インテリアコーディネーター

空間デザイナー、開業コンサルタント 不動産の力で女性の夢を応援することをミッションに、2015年2月に女性だけの不動産会社としてHouse Brian/ハウスブリアン(所在地:さいたま市)を企画、設立から運営まですべてをこなす。 ハウスブリアンの事業の2大柱として、 ☆シングルマザーこそ、家を買え。守ってくれる家探し ☆借りるだけじゃ意味がない。本当に繁盛する店舗の選び方 を掲げ、シングルマザーや女性起業家(予備軍)に向けての支援活動を行っている。 起業したい女性向けの創業スタートアップ勉強会やワークショップ、セミナー等を開催し、「何かを始めたいのだけど、きっかけがない」「場所がなない」という人には、お店の一部をレンタルスペースとして提供している。

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