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これからの街づくりと待ったなしの“老朽化マンション”再生問題(6/6ページ)

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新耐震基準に満たないマンションもいまだに多く、高齢化が急速に進むマンションのストック数の危険性を問題視した国は、新たに「管理体制の適正化や除去認定の権限、建築法規の緩和権限」という2つの側面から地方公共団体に権限を付与した。それが、20年6月に成立・公布された「マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律」である。


出典/国土交通省「マンション建替円滑化法の改正概要」を基に作成

マンション建て替え事業のより円滑な運用を目的として、14年から円滑化法の一部が改正され、これまでマンションの解体・敷地売却には、区分所有者全員の合意が必要だったがものが、5分の4以上の合意があればマンション建替法で手続きできるように緩和された。さらに19年からは、「敷地売却」という敷地を不動産会社などに売却し、住民はその代金を元手に建て替えられたマンションに再入居したり、別の住居に引っ越したりする仕組みも選べるようになった。

そして「マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律」により、耐震性不足だけでなく、「外壁剥離等により危険を生ずるおそれがあるマンション等」「バリアフリー性能が確保されていないマンション等」の危険性が高いマンションなどについても、5分の4以上の同意によりマンション敷地を売却できるようになった。

「少子高齢化で世帯数は減っていくので、建て替えより敷地売却への流れになるでしょう」(長谷川氏)

本年度も国交省では改正法の適用範囲をさらに見直し、実際の事案に柔軟に対応することを目的として有識者による検討会を開催。猶予を許さない老朽化マンションに対する法整備を進めている。

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