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経済アナリスト、中原圭介インタビュー

【最も予測が当たる経済アナリストが予言!】住宅はさらに供給過多へ! 不動産投資のブルーオーシャンはどこにあるのか(3/4ページ)

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サブリースを使ったアパート経営ビジネスは立ち行かなくなる

また、相続税対策として、30年一括借り上げを謳うサブリースによるアパート建設がここ数年で急増しましたが、すでに空き家が大量になるなか、供給過多に拍車をかけています。

こうしたサブリース契約によるアパート経営は「30年一括借り上げ」といいながら、実際には10年間など一定期間を経過すると、サブリース会社が契約を変更できるようになっていることも問題視されています。物件が新しいうちは入居者は見つけやすいでしょうが、問題は物件が古くなってから出てくるからです。

物件が古くなれば、よほど好立地でなければ、家賃を下げないかぎり、入居者を見つけるのは大変です。いずれにしろ、供給過多になっているわけですから、近い将来に、こうしたサブリースを使ったアパート経営ビジネスは立ちゆかなくなるでしょう。

現に、2017年1月に日本銀行が発表した地域経済報告「さくらレポート」でも、国内の住宅供給のバランスがよくない状態であることに対する懸念を暗に示唆しています。昨年まで実績として強調していた貸家建設が、いまになって将来のリスクとして意識され始めているのです。

不動産投資でもブルーオーシャンを探せ!

不動産投資をするなら、結局は、長い時間軸で需要と供給を考えなければいけません。その点では、都心の好立地エリアや競争相手が少ないひと握りのエリア以外の不動産投資は現状厳しいと言わざるを得ません。

このような状況のなかでも失敗を避けるには、事前のリサーチがとても重要になってくると思います。現地の不動産屋さんから情報を聞いたり、近隣をよく見ながら、競合相手がいない立地を探す。たとえば、住みたい人の数の割に貸家の数が極端に少ないエリアを探すわけです。

こうした情報は、机の上で表面利回りを見ただけでは絶対にわかりません。自らの足で情報収集するぐらいのことをしなければ、不動産投資で儲けることはむずかしいでしょう。

あらゆる商売に通じますが、わざわざレッドオーシャンに飛び込むのではなく、ブルーオーシャンで勝負するということです。弁護士や歯医者なども数が増えすぎたことで、いまや高収入の職業ではなりつつあります。むしろ稼げない弁護士や歯医者が多くなっているのです。現在の不動産投資もそれと同じことです。

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