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政局相場に入った市場――総裁選絡みで低迷相場を一掃大転換も?(2/3ページ)

望月 純夫望月 純夫

2021/09/07

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今月の注目株――半年間で業績見通し増額修正の半導体関連

世界各国の主な指数のなかで、日本、中国上海、香港の指数がさえない動きが続いている。

日本株は世界景気に敏感な製造が多く、日本の2大貿易相手国である米中冷戦による影響が読めず、国内外の投資家が日本株に前向きになれないこともある。しかし、ワクチン接種が加速し、経済が正常化するとともに、投資家は割安な日本株に取り組むことになろう。この半年間の間に、業績見通しを増額修正した企業も多く、日本株の投資魅力は高まりつつある。ここでは、半導体関連に注目したい。

世界の半導体市場が、17年が前年比22%増、18年が14%増と大幅に伸び、19年伸び鈍化、20年は19年比横ばい、21年は18年のピークを下回る予測であったが、20年12月の予測では21年は8.4%増の4694億円と8年のピークを若干上回る見通しに上方修正された。

しかし、2年後半以降、世界的に自動車生産が本格回復した後、車載半導体の供給不足が明らかになり、21年に入って大手自動車が生産計画に追い込まれている。

3月に発生したルネサスエレクトロニクスの那珂工場の火災も大きく影響している。コロナ禍でテレワークやEコマースが増大し、パソコンやタブレット端末の販売が想定以上に好調に推移し、5G通信による「IoT」進展に備えて、膨大化するデータ量を処理するためのデーターセンターの増強も、半導体ニーズが大きく高まる要因となっている。

WTSの予測では21年比は前年比19.7%増の5272億円、22年も同8.8%増の5734億円と拡大見通しとなっている。

半導体テスターのアドバンテスト(6857)は、22年3月期の売上高、営業利益を大幅に上方修正し、7月、8月も受注が積み上がり、衰える気配がないとしている。半導体製図装置の世界市場も3年連続で過去最高を更新する勢いであり、半導体材料も含め、長大なブームが続きそうである。


アドバンテスト 出典/TradingView

SUMCO(3436)は半導体用シリコンウエハの世界シェア2位の30%弱で、信越化学(30%強)に次いでいる。


SUMCO 出典/TradingView

東京応化工業(4186)は、EUV用フォトレジストで世界シェア5割弱、検査装置のプローバでは東京エレクトロンに続く2位の13%の東京精密(7729)、半導体露光装置用の光源の世界シェア80%、EV向けも期待出来るウシオ電機(6925)、車載用マイコンシェア1位のルネサスエレクトロニクス(6723)が注目される。


東京応化工業 出典/TradingView


東京精密 出典/TradingView


ウシオ電機 出典/TradingView


ルネサスエレクトロニクス 出典/TradingView

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この記事を書いた人

コンサルタント、ラジオパーソナリティ

1971年慶應大学法学部卒、同年山一証券入社。1985年新本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。 1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。

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