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緊急事態宣言で意外と下がらない日経平均株価――来年には3万円超えも期待(3/3ページ)

望月 純夫望月 純夫

2021/08/06

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流行のテーマ別アクティブ型はしっかり中身までチェックを

21年3月期の国内資産運用会社大手9社の純資産額(上場投信・ETF)が公表された。

これによると公募投資の純資産額は3月末時点で約76兆円と1年前より約3割も増えた。しかし、運用会社が受け取る信託報酬は、ETFを除く公募投信では8年連続で減少。運用歴が長く、信託報酬の高い投信が嫌気され、株式指数に連動した低コストの「パッシブ型」投信に資金が流れる傾向が顕著となった。

運用会社の資金流入額で上位に入った三菱UFJ国際投信も1%減益と苦戦した。

これは業界最低水準の信託報酬を売り物とするパッシブ型は好調だが、往年の債券型投信などからは資金が流出したことによる。

新たに個人マネーの海外シフトも逆風となった。国内の運用会社が海外資産に投資する場合、同業の外資系に実質的に運用を委託するケースが大半で、報酬を分け合う形となるために儲けは限られている。

加えて、市場のパフォーマンスを上回る運用を目指すアクティブ型の成績が振るわず、運用会社自らがアクティブ投信からのマネー離反を招いている面もある。

海外運用の米ブラックロックは、4から6月期の純利益は前年同期比14%増となっている。セゾン投信のように「オルタナティブデータ」を使った運用体制を整え、横並びの運用からの脱却を図る必要性に迫られている。

金融庁から「ESG投信」について、指摘を受けた運用会社も出ている。「グローバルESGハイテク成長株ファンド」は人気商品で、設定時に4000億円近い資金を集めたが、商品名から「ESG」を外したほぼ同名の投信と比較し、保有株上位10銘柄のうち8銘柄が重なっていた。ちなみに、環境などの名称を含む投信は21年6月末で44本発売され、20年の年間38本をすでに上回っている。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたものです。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

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この記事を書いた人

コンサルタント、ラジオパーソナリティ

1971年慶應大学法学部卒、同年山一証券入社。1985年新本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。 1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。

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