有料化と手数料の徴収、銀行口座のデジタル化のポイント(2/4ページ)
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2021/06/21
利便性重視なら1口座ですべてを管理
銀行口座の整理とはどのようにすればいいのか。
まずは、利用している銀行の通帳はもとより、タンスの奥などに眠っている銀行の通帳をかき集めて、どの銀行に口座があるのか、残高はあるか、どの銀行口座からどんな引き落としがされているのかをしっかり把握することが、銀行口座整理の第一ステップになる。そして、休眠口座は、この際、解約手続きを進めておきたい。
そのうえで給料や年金など、メインの収入が入る銀行口座と水道光熱費など、公共料金の引き落とし口座が分散しているようであれば、同じ口座にまとめるのも、1つの方法だ。
「公共料金の口座に残金がなくて、電気や水道がストップしてしまうお年寄りは意外といます。入金のある口座にしておけば、ライフラインが止まることを防ぐことができるし、コロナなどで急に入院することになってしまい、家を空けることになっても、誰かに振り込みを頼まなくて済みます」(ファイナンシャルプランナー)
この方法は年金受給者の人にはおすすめだという。公共料金や家賃のほかにも、クレジットカードや携帯電話の利用代金、スポーツクラブなどの年会費や新聞の購読料、通信販売の定期コースなど、口座振替にしているサービスは意外と多い。この際、これらの支払いを再チェックし、不要と判断したものは、入金口座の引き落としへ切り替える前に解約も検討すると無駄な出費をなくすことにもつながる。
利便性より管理重視なら複数口座で
口座を1つにまとめるというやり方以外にも、メインとサブの2口座、あるいは3口座に分けて管理する方法もある。
銀行口座を複数持つ場合のポイントは、それぞれに目的を持たせることだ。具体的には、お金の「入」と「出」を分けるという方法でもある。こうすることのメリットは、入金と出金を分けることで、お金の出入りを銀行口座で管理することができる。これに預金専用の3つの口座にするとさらに分かりやすい。
例えば、毎月の入金をA口座、支払いをB口座、預貯金をC口座と分けることで、日常の支出はA口座からB口座、大きな買い物をしたり、イレギュラーな出費はC口座からB口座と使い分けることで、通帳を見るだけで、現状のお金の動きや残高といったキャッシュフローをつかむことが容易になる。
とはいえ、この方法では別々の銀行だと振込の手数料が気にかかるところ。しかし、少々手間はかかるがATMで引き出して入金すればそれもかからない。コンビニATMであれば利用を無料にしている銀行も多く、そうしたATMを利用するのも1つ。また、三菱UFJと三井住友銀行の2行は店舗外ATMを共同利用しおり、引き出し、預け入れでの手数料はかからない。
また、メガバンクのネットバンキングを利用すれば同一銀行の支店間のやり取りなら手数料はかからない。さらに給与や年金の受取口座にしたり、預金残高によって振込手数料が無料になるなど優遇もある。
この記事を書いた人
記者・ライター集団
政治、経済、ビジネス、マネーなどさまざまなジャンルを取材、執筆活動を行っているフリージャーナリスト、ライター、カメラマンなどによる叶舎LLC.の取材チーム。