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9カ月にわたる日経平均の不自然な動き 梅雨明けには明るい兆しか? 注目銘柄はバイオネット燃料など脱炭素、新エネルギー関連6銘柄(2/3ページ)

望月 純夫望月 純夫

2021/06/07

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脱炭素、新エネルギーで注目の6銘柄

5月20~21日に開かれた主要7カ国(G7)の気候・環境相会合は、産業革命前に比べた気温上昇を1.5度以下に抑えることで合意した。地球温暖化対策の枠組「パリ協定」での1.5度に抑制する努力目標から一歩踏み込んだかたちで、これを実現するためには二酸化炭素(CO2)排出削減の取り組みを加速させる必要がある。

問題視されているのがCO2排出量の多い航空機分野で、「フライト・シェイム(飛び恥)」という言葉も広がっている。この汚名返上のカギを握るのがバイオマス原料をもとに製造される「バイオネット燃料」である。

これを受けてANA(9202)、日本航空(9201)は50年度末までにCO2排出量実質ゼロを実現すると発表した。米航空機製造大手のボーイングもすべての民間航空機を30年までにCO2排出量を大幅に削減出来る航空機用燃料SAF(持続可能な航空機燃料)で飛行することを目指すとしている。

SAFの製造技術にはさまざまなものがあるが、最も有望視されているのが微細藻類由来の燃料のユーグレナ(2931)で、今年3月に、微細藻類の一種であるユーグレナ(和名:ミドリムシ)を用いて生産したバイオジェット燃料が、外部検査機関によって国際規格への適合が認められた。燃料の開発は米石油大手のシェブロンと共同で行っている。

ユーグレナ(2931)

年内のフライト実現に向けて航空運送業者や航空局と最終調整中。IHI(7013)は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NED)と、ボツリオコッカスという微細藻類を使ってバイオジェット燃料を安定生産する研究に取り組んでいる。J-POWER(9513)は、20年10月に、「海洋ケイ藻のオープン/クローズ型ハイブリッド培養技術」が前記NEDに認められている。

J-POWER(9513)

バイオベンチャー群のちとせグループは4月から、藻類を活用した新産業をつくる日本発の企業連携型プロジェクト「MATURI(まつり)」始動した。

このプロジェクトには、三菱ケミカル(4188)、花王(4452)、ENEOS(5020)、ホンダ(7267)等が参加し、燃料だけでなくプラスチック、食品、化粧品の製品開発を行う予定である。

三菱ケミカル(4188)

ホンダ(7267)

25年に世界最大級の藻類培養設備建設予定である。東洋エンジニアリング(6330)は今年2月に、再生可能燃料の製造技術分野での商業化に向けて米ベロシスと包括的業務協力を定める協定書を締結している。トヨタ(7203)は、富士4時間耐久レースに水素エンジン搭載の「カローラスポーツ」をベースにしたレーシングカーを出場させ、変革する姿を見せている。

東洋エンジニアリング(6330)

トヨタ(7203)

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この記事を書いた人

コンサルタント、ラジオパーソナリティ

1971年慶應大学法学部卒、同年山一証券入社。1985年新本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。 1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。

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