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続くコロナ禍 注目業種は製薬とIT・通信系――推奨7銘柄(2/3ページ)

望月 純夫望月 純夫

2020/06/09

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依然続くコロナ銘柄は目が離せない

5月は、治療薬アビガンの富士フィルム(4901)ワクチン開発絡みではアンジェス(4563)、オンライン医療システム関連のメドレー(4480)、エムスリー(2413)、メドピア(6095)、上海の大学病院や国立感染研究所とワクチン共同開発をするアイロムG(2372)などの銘柄群やオンライン学習のジャストシステム(4686)、朝日ネット(3834)を紹介した。

ワクチンの分野では、アンジェスの株主であり、傘下にUMNファーマを持つ塩野義(4507)を追加する。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛を受けて、テレワークやオンライン学習の利用が拡大し、動画配信やオンラインゲームを楽しむ機会が増え、それに伴いデータ通信量が急増している。

政府は、緊急事態宣言を全面解除したが、テレワークやオンライン学習の利用は今後も拡大すると見られ、データセンターの存在感は増すものと思われる。IT専門の調査会社では、2024年まで年平均4.6%の成長率があると予想していたが、コロナによる巣ごもり問題を契機に設備投資が加速することが予測される。クラウドサービス事業者大手のアマゾンやマイクロソフト、グーグルなどのキャパシティの拡大、国内大規模データセンターも建設ブームが続きそうだ。

ブロードタワー(3776)、東京や大阪などに拠点を構える都市型データセンター大手、さくらインターネット(3778)は、東京や大阪、北海道にデータセンターを展開する業界大手、TIS(3626)は、東京や大阪、富山にデータセンターを展開している。全国17拠点で都市型・郊外型のデータセンターを展開し、海外でもデータセンターを展開するIIJ(インターネットイニシアティブ/3774)、東京、神奈川、大阪、九州でデータセンターを展開するシーイーシー(9692)にも注目が必要。行動様式の変化の典型として注目されるのがテレビ会議システムで、手軽に使われているのがZOOMで、NECの子会社のNECネッツア(1973)。同社は通信インフラ工事を手掛ける企業として知られているが、企業のネットワークや業務に必要なシステムやサービス(デジタルソリューション)を手掛けている。



5Gのインフラ構築や企業のデジタルトランスインフォメーション(DX)へのニーズと共に、中長期で成長が期待出来る。経済産業省もDX促進に動き出しており、新型コロナウイルスで蹂躙された今回の企業決算の中、IT関連企業の好決算が目立つ。

業界ツートップのNEC(6701)は20年3月期に3兆円を超え、21年3月期の目標を達成し、今期も18%増の予想をし、富士通(6702)は非開示だが、新たなビジネスチャンスに動き出している。DXの有望銘柄としては、安川グループのYE DIGITAL(2354)、大企業に強みのフォーカスシステムズ(4662)などが有望で、それに伴い次世代MPU用パッケージの増産効果で想定以上に期待できるイビデン(4062)に期待。

給付金の手続きでデジタル化の遅れが目立ち公共事業体に強いITbookホールディングス(1447)、オンライン授業の普及で業績拡大が期待できるウチダエスコ(4699)にも注目したい。


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この記事を書いた人

コンサルタント、ラジオパーソナリティ

1971年慶應大学法学部卒、同年山一証券入社。1985年新本証券国際部入社、パリ駐在員事務所長を経て企業部にて新規公開企業の実務に携わる。 1998年退職後、コンサルタントとして独立。著書に『株をやさしく教えてくれる本(あさ出版)などがある。フジサンケイビジネスアイ株式初級講座、ラジオ日経の「株式宅配便」のパーソナリティを務める。

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