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母と妹に会えずに40年以上 子どもが親を知る機会を奪わないで(3/3ページ)

しばはし聡子しばはし聡子

2020/11/04

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■子どもに会えていない方に対して伝えたいはありますか。

親なのに子どもに会えないというのは、想像を絶するほどつらいことだと思います。ただ、子どものためにもどうか会いたいって思い続ける気持ちを諦めないでほしいです。私は法律や取り決めなど関係なく会いたいという行動をしてほしかったです。自分という存在をアピールして、子どもがいつか見つけられる方法や離れても状況を知ろうとしてほしいということです。

もし、今は会えなかったとしても、いつか子どもに会えるときのために日記に気持ちを書いたりしていてくれたら嬉しいですよね。

あとは、相手を敵視するのではなく、気持ちを理解するように努力してほしいとも思います。会わせたくないと思うほどの気持ちはどこから来るのかと。子ども抜きでまず考えてほしいです。そして、一緒に住んでいる親の意を100%汲みますから焦らないでほしいです。

親は子どもに対して「人の気持ちを思いやること」と躾をするにも関わらず、自分自身は違う意見をシャットアウトしたり攻撃しがちです。そのような姿を両親の不仲で示さないでほしいですね。

■最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

どちら側の親であっても、子どもの声を聞いてほしいし知ってほしいと思います。子どもが親の気持ちを肌で感じ取って言葉を発するようになる前に、自分の気持ちを言っていい、そんな関係性が親子で成り立っていてほしいです。

私はいつも「大丈夫」と言う癖がつきました。それが望まれている答えだと分かっていたから。しんどくてもつらくても、本当の気持ちを聞きたいのではない、大丈夫と言ってほしいのだと。

離婚がいろんなかたちがあるように、子どもにとっても不幸なこととは限りません。私にとっては離婚、再婚は自分の存在をなくすことであり、大人になってもその延長上にしか生きてこれませんでした。長男を産んだのは39歳です。それまで前向きな振りをした、でも行き当たりばったりに生きていました。子どもを産む覚悟をして、やっと自分を愛せるように訓練しました。

子どももいつか大人になるんですよね。でもそのときにどんな大人になるか、よくも悪くも子どものときに見続けた親の姿を忘れません。子どもの未来はつながって(←繋がって)います。離婚そのものよりも、その後の姿が子どもには残っていくことを知ってほしいです。

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この記事を書いた人

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️

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