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母と妹に会えずに40年以上 子どもが親を知る機会を奪わないで(2/3ページ)

しばはし聡子しばはし聡子

2020/11/04

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■父親へはどのような思いがありますか。

高校生になった頃から、「会いたい」というより「知りたい」という願望はありましたね。2年前くらいでしょうか。父親へ「母のことを知りたい」と伝えたら、「なんで今更」と口論になってしまいました。挙げ句の果てに父から送られてきたのは離婚裁判の書類。

私は単に母親を知りたいという気持ちだけだったのに、向き合うことのない父親と噛み合わなくなり、今は父親と縁を切っている状態なんです。父は母の存在を消そうとしましたが、私にとっての母の存在を勝手に消してほしくなかったです。

義母と私の関係においても、間に入ることをしてくれませんでした。義母も不満があったのだろうと思います。義母は自分の気持ちを正直に話してくれる人でしたが、父は私の気持ちを一度も受け止めてくれたことがなかったので、今でも許せない思いがあります。

■子どもを相手に会わせたくないと思っている方に伝えたいことはありますか。

私も親になっていろいろ思うことはあります。夫婦がこじれて会わせたくないという感情になること自体は理解できなくもないです。例えば、私がずっと育児をしてきたのにいきなり親権をほしいと言われたら奪われたくないと思うのは当然のことかもしれません。

ただ、子どもとは別人格です。子どもは別の人生を生きていることを知ってほしいです。自分の感情と子どもの感情を同一化させてはいけないですね。

親って子どもへは何をしても自分のことを許してくれると思っているところがあるように感じます。だけど、子どもには子どもの気持ちがありますよね。

また、会わせることになにが不安なんだろうとも思います。もっと自分の子どもを信じてあげてほしいです。会わせたくないのであれば、子どもが納得いくよう理由をきちんと子どもに話してあげることも大事です。子どもは何も話してもらえないと親から信じてもらえていないと思っていくものです。

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この記事を書いた人

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️

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