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【インタビュー】「子どもの頃の気持ちを忘れないで」 親のエゴで子どもを所有物化してはいけない(2/3ページ)

しばはし聡子しばはし聡子

2020/01/17

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■共同養育するにあたり困っていること、困っていたことはありますか。

息子たちがまだ小さかったときは、父親と会って帰ってくると鼻水を垂らしていたり、冬なのに上着を着させていなかったりなど、一言いいたくなるような場面もありましたね。些細なこととはいえ、毎日子どもを育てる立場としては子どもたちの健康管理は重要なこと。ただ、息子たちは楽しんでいたし、いちいち小言を言わないように気を付けていましたね。

■お相手がどんなことをしてくれたらうれしいですか。

一緒に育てている意識を持ち続けてくれていることがありがたいです。息子たちにこれからも変わらず愛情を注ぎ続けてほしい、ただそれだけですね。

息子たちは今でも父親に少し遠慮があるのか、なんでも相談できるわけでもなさそうです。父親とも本音で相談できる関係になっていくといいなと見守っています。

■共同養育はどんなメリットがありますか。 お子さんはもちろんご自身にとってもよいことがあれば教えてください。

子どもって大人よりよっぽど大人だったりしますよね。わが家では息子たちが父親の成長を見守りながら父子愛を育んでいるようにもうかがえます。

私は幼少期に両親が離婚し、父親と会えない環境で育ちました。兄弟も親戚もいなくてただただ寂しかった記憶しかありません。親からもう片方の親の悪口を聞かされたりするのは本当に辛いものです。

私の息子たちに限らず、子どもたちにそんな辛い思いをさせてはいけないですし、親が離婚しても両親から愛されていることを実感できる機会を奪ってはならないですから、共同養育はメリットというかあたり前のことだと感じています。

■お相手との関わりにおいてご自身が心がけていることはありますか。

元夫とのやりとりは子どもたちの話がメインで、会ったり電話したりはなく、LINEで話すだけです。

あとは、大事なのは感謝を伝えること。再婚後、久々に連絡したときにあらためて感謝を伝えたら元夫が謝ってきてくれたんです。そこから関係が良くなったこともあり、これからも事あるごとに感謝を伝え続けていきたいですね。

一方で、再婚相手への気遣いも心がけています。再婚初期の頃、再婚相手は私たちの元家族に対して疎外感があったのか、息子たちと元夫との交流に対してやや消極的だったんですよね。息子たちも再婚相手へ父親の話をしないようにしていたり、私も不必要に元夫のことを話題に出すことは控えていました。

息子たちによる再婚相手への歩み寄りもあり、今ではとてもよい関係を築けるようになりました。次男が卒業式に父親だけではなく再婚相手にも来てほしいと手紙を書き、再婚相手が学校行事に初めて来てくれたんですよね。そのときに次男が再婚相手の前で初めて泣いたんです。いろんな感情があったのでしょう。それを機に一気に距離が縮まったように感じます。

次ページ ▶︎ | 子どもたちに向けてどんな思いがありますか。

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この記事を書いた人

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️

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