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【インタビュー】「姓も国籍もバラバラなステップファミリー~多様化する家族のカタチと日本の制度への思い~」(3/3ページ)

しばはし聡子しばはし聡子

2019/10/02

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■お相手との関わりにおいてご自身が心がけていることはありますか。

相手を変えることはできないので、自分が変わることを心がけています。感謝の気持ちを言葉で伝えるなど、自分から歩み寄ることの大切さを実感したので意識しています。そうしていくと、相手からもありがとうが返って来るんですよね。「すばらしい子たちに育ててくれて嬉しい」と言ってくれます。離婚前のいがみあっていた時にはない良好なコミュニケーションが成立しています。

元夫と良好な関係を築けるようになったのは、今の夫のおかげでもあるんです。彼は私欲がなく人類愛を持っている人。元夫への感じ方について、頭ではどうしたら良いかがわかっているけれども心がついていかずなかなか行動に移せないと悩んでいたとき、「あなたの生きがいでもある子どもたちにとって大切な父親なのだから、大人同士尊重しあって明るく関わるようにしてみたら?本当は離婚せずに大人同士の心からの仲直りを子どもたちに見せてあげられたら一番良かったのだろうけど。」という言葉をくれたのは彼でした。そのおかげで、元夫に対して、これまでの全てに感謝することができ、生きていてくれるだけでありがたいと思うようになりましたね。

■ご自身のこれからの夢やビジョンがあれば教えてください。

血縁関係の有無に関わらず、共に暮らす家族は子供にとって最小かつ最強のコミュニティであると考えます。そんな家族のカタチは年々多様化してきているのに、日本は社会の制度や仕組み、法律は昔のままなので、文化も不寛容さが際立ち、必要な人たちに必要な支援が届きにくい、又は支援そのものが不足していると感じます。

せっかくこの日本という恵まれた国に生まれながら、大人の都合で被害を受けるのは、何の罪もない子どもたち。一方で、世代による価値観のギャップは存在して当たり前だと思いますし、当事者にしかわからない各々の事情もありますので何が正しくて何が間違っていると一概に断定はできないとも感じています。

しかし、子どもが子どもらしく自分らしさを発揮しながらのびのびと生きていけるように、大人にできることはたくさんあると考えます。想定外の経験をして辛い苦しいと思い悩む時期もありましたが、今はそれによって人生は本当に楽しいと感じることができている私に何かできることはないだろうかと模索しているところです。

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この記事を書いた人

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️

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