【インタビュー】「親からの愛情は自己肯定感を左右するー自身の実体験からの思いー 」(2/3ページ)
しばはし聡子
2019/08/20
■共同養育するにあたり困っていることはありますか。
特にはないですね。お互い連絡先を隠しているわけではないけれど、息子も大きいので直接やり 取りできますから、親同士として連絡とる必要がないので、私自身困ることはありません。私は再婚して今のパートナーや息子との生活を大事にしていますし、過去の元夫婦の感情にひきづられてネガティブになったり悲観することなく前を向いて過ごすことが大事だと思っています。
パートナーも、息子と実父の関係について理解をしてくれて、私と息子に任せてくれていて口出しすることもないので、バランス良く過ごせているのはありがたいですね。
■お相手がどんなことをしてくれたらうれしいですか。
この先ずっと父親として息子のことを思っていることを示し続けてほしいです。 養育費は大学卒業とともに終わるけれど、その後も言葉や態度やどんな形でもいいので伝え続けてほしい。それだけです。
なぜ、そこまで親からの愛情を伝えてほしいと思うかというと、私自身が幼少期に親からの虐待や親の離婚で愛情を感じられずに育った経験があるからです。親から愛される実感がないまま育つと自己肯定感が低くなり、大人になっても人との関わりやパートナーシップがうまくできなくなってしまうんですよね。最初の結婚生活もうまくいかなくなったのは、私自身の自己肯定感の低さも一因だったかもしれません。
そんな経験があるからこそ言えるのは、子どもは親から無条件に愛されることが必須だというこ と。だからこそ、息子には父親からの愛情を感じて ほしいし、父親にも愛情を注ぎ続けてほしい と切に願います。
■共同養育はお子さんはもちろんご自身にとってもどんなメリットがありますか。
父親に対して悪い感情を持ち続けるのはよくないことですし、親から愛されているって感じ続け ることで自己肯定感が高く保たれることは生きていく上で絶対大事です。親からの愛情は何をす ることに対しても基盤になりますからね。
今後、息子が結婚しようと思った時に、家族という形に対してマイナスの感情が残ったままだと、家庭を築くことに対してネガティブになってしまいます。
マイナスの感情がクリアになってもらいたいし、家族っていいものなんだと思ってもらいたいから、父親と継続的に会って愛情を感じてもらいたい。そのためにも父親と関わることは息子にとって大切な機会だと思っています。
この記事を書いた人
一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント
1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️