【インタビュー】「愛とは許すこと」―離婚しない結婚をつくっていきたい(3/3ページ)
しばはし聡子
2019/04/16
■共同養育はどんなメリットがありますか。お子さんはもちろんご自身にとっても良いことがあれば教えてください。
ママ:離婚して距離は離れているけれど、元夫は子どもたちのために養育費も払ってくれていたし、一緒に育てている感じがしていました。子どもたちと会っていることで、よりモチベーションもあがっていたと思うので会い続けていることは父親としての意識が高まることも良いことだと思います。なかには、会わなくてもいいという親もいますからね。
息子さん:両親それぞれからクリスマスプレゼントをもらえたり、住む場所がふたつあることは、もちろんメリットなのですが、物理的なメリットよりも精神的なメリットの方が大きかったと思います。
うちは自由に会えていたので、両親から愛情を欠けずに受けていることができたのはよかったことだと思っています。もし、母親だけに育てられていたら、心に傷を負っていたかもしれないですからね。
■ご自身のこれからの夢やビジョンがあれば教えてください。
ママ:結婚についての教育をもっともっと広めていきたいです。食育、お金の価値観、孤独死なども含め、結婚全体に付随していることを結婚前に伝えていくことが使命だと感じています。
そして、離婚しない結婚をつくっていくこと。結婚の選択肢を間違えた人が離婚していますので、間違えないような学びを継承していきたいですね。とはいえ、万が一離婚してしまったとしても、まさに共同養育の大切さを知る学びの機会をつくっていくことも必須です。
これらをぜひとも「結婚前」に伝えていきたいですね。
息子さん:親が離婚していると、自分が他の人と比べて離婚しやすいんじゃないかなと思う時があるんです。それは、ネガティブなことではなく、ポジティブに離婚へのハードルが下がっているというイメージです。
現に、離婚家庭で育った子どもが離婚する確率は75%という調査が出ているほどですから、これからの次世代を考えていくにあたって、やはり「離婚しない結婚」を作っていかなくてはいけないと心から思います。そのためにも、正しい判断をするための知識と判断ができる教育が必要なので、母親とともに結婚教育に尽力していきたいと思っています。
この記事を書いた人
一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント
1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️