【インタビュー】離婚後も子どもの行事は元夫婦で参加ー子どもの環境を変えないために親ができること(2/3ページ)
しばはし聡子
2019/02/08
■共同養育するにあたり困っていること、困っていたことはありますか。
世間では共同養育の認知がまだ少なく、「離婚したのに元夫と交流があるなんて…」と言葉には出されずとも思われているような場面があったり、「そういうやり取りができるのであれば復縁したらいいのに」「離婚しなければよかったのに」と言われることも少なからずあり、そこが困っている点です。
また、共同養育イコール離婚推進のようなとらえ方をされるケースもあるので、誤解を与えないようこちら側の発信の仕方にも気を付けていかなくてはと思っています。しなくて済むのであれば離婚はしない方がいい派です。
■やってよかったという思いをお聞かせください。
離婚後1年ほど経った頃に子どもから「パパとママが離婚しても何も変わらない」と言われた際は嬉しかったです。子どもにとって会いたい時にパパと会える、生活基盤があまり変わらない、ということは、とても大きなことであるのだと実感しました。
うちはもともと元夫が仕事人間であまり家にいなく子どもは生まれた時から母子生活に慣れていたということもあり、うまくシフトできた部分がありますが、子どもの人生や生活を変えないためにと結構な負担が私自身ありましたので、子どものその一言に救われました。
■お相手がどんなことをしてくれたらうれしいですか。
うちは幸い離婚後に元夫との関係性が改善しまして、今では元夫はこちらを気にかけて色々フォローをしてくれるので、これ以上に望むということはないのですが、しいてあげれば、子どもにとってはたった一人のパパですから、健康で長生きしてほしいと思っています。
■共同養育はどんなメリットがありますか。子どもはもちろんご自身にとっても良いことがあれば教えてください。
子どもにとってのメリットは、パパの存在が変わらずあるという安心感でしょうか。時折、自分には家が二つあると自慢気に言っています(笑)。今後、母親である私と子どもがぶつかることもあると思いますので、そんな時の逃げ場としてもパパにはいてもらえたらと思っています。
私にとってのメリットは、子どもとの生活や進学時など困った時の相談先として頼れる存在があること。先日も母子のやりとりで煮詰まった際に元夫へヘルプを出したところ、父子の時間を作ってもらい、子どもへのフォローと同時に私一人の時間もつくってもらえました。そういう面で精神的に助かっています。
この記事を書いた人
一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント
1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️