再婚後の子育て・子どもの気持ちを考えたときに優先すべきこと 〜共同養育コンサルタントしばはし 聡子コラム〜(2/3ページ)
しばはし聡子
2018/06/19
■再婚する場合の心得
自分抜きでも子どもとパートナーが楽しめる関係になり、幸せな家族像が描けるようになったら、あらためて子どもにきちんと伝えましょう。曖昧なまま、一緒に暮らして生活を始めるようなことをすると、子どもは「この人はどんな存在なの?」と振る舞い方がわからず混乱します。
「○○さんは、ママとあなたを支えてくれるとても大切な人だから、ママは結婚して一緒に暮らそうと思うけどいいかな。」と正直に伝えることが大事です。そこで、嫌そうな素振りを見せるなら時期を遅らせればよいですし、嬉しそうにしてくれれば、正式に再婚への道が開けてきます。
◆いきなりお父さん役をしないこと
再婚すると、パートナーへ「新しいお父さん」という役目を果たしてもらおうとすることもありますが、果たして子どもにとって新しいお父さんが絶対的に必要なのでしょうか。「新しいお父さんができたから、今日からお父さんと呼びなさい」と強要するのではなく、子どもが気楽に呼びやすいようなニックネームや名前で呼ぶことでもよいでしょう。
パートナーも、「お父さんにならなくちゃ」と意気込んでなかなか懐いてくれなかったりすると、焦ったり不安や不満が出てきて関係が悪くなることもあります。「一緒に遊んだり勉強を教えてくれたりする年上のお友達」くらいの感覚で過ごせる方がパートナーも子どもも、そしてあなたも自然体で過ごせるのではないでしょうか。
◆実のお父さんの存在を大切に
再婚の際、悩ましいのが元夫との関係。新たな家庭を1日も早く落ち着かせたい、新たなスタートを切るために子どもを混乱させないと考えている方もいるのではないでしょうか。
ここで大切なのは「本当のお父さんとはいつでも会えるよ」ということを伝えてあげることです。あらたな家族ができても、実の父親はたったひとり。一生父親であることには変わりません。夫婦関係は破綻しても、元夫と子どもが親子であることは変わりません。
早く新しい家族になじむようにと、別れた夫とは会わせないようにするケースも見かけますが、子どもが「会いたい」と自然に言える環境をつくってあげるよう心がけましょう。
もしも、子どもが実の父親に会うことをよく思わないパートナーだったら要注意です。子どもの気持ちよりも自分の気持ちを優先するタイプかもしれませんので、パートナーのスタンスを事前にきちんと確認しておきましょう。
この記事を書いた人
一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント
1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️