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二地域居住のベテランが教える

【田舎暮らしの買い物術】ホームセンターで買っていいもの、ダメなもの(2/2ページ)

馬場未織馬場未織

2016/10/28

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専門店とホームセンターを使い分けよう

安く売られている農機具は、加工精度や材質において安価に収めているために耐久性がよくない、という話があります。安いものを買いたいと思うのは当然の心理ですが、刈払い機を始めとする農機具は、一時でも手元にないと生活上困る必需品ですから、修理で手元から消えるたびに非常に困ります。そう考えると、初めによいものを買っておくほうが、結果的にはいいのではないかと思われます。
もちろん、コストだけではありません。いつも使っていると調子が悪くなりにくく、たまにしか使わないとすぐにダメになるということもあります。

また、刈払い機に限らず、たとえば鍬(くわ)や鎌もそうです。コスト優先で考えて安価なものを買うと、軽くて力が乗らなかったり、すぐに反ったり曲がったりして壊れてしまうことがあります。

以前、わたしが使っていた鍬(くわ)を地元の農家さんが見て、「こりゃー使い勝手が悪いっぺ」と苦笑されました。図星で、それもホームセンターで購入した安物でした。
金物屋で長くもつものを手に入れて、きちんと手入れしながら使うと、いつまでもいつまでも長く使える、とのこと。

幸いなことに、農機具には流行り廃りがありませんから、壊れるまで使うのが普通です。田舎暮らしをしようと腹を決めたら、初めに出費がかさむのは先行投資だと思い、専門の小売店で目的に合うものを購入し、その後もメンテナンスなどでそのお店と長く付き合っていく、という形がベストだと思われます。

ホームセンターは、とても便利です。
でも、得手不得手はあります。

昔ながらの専門店をホームドクターのように味方につけておくと、田舎暮らしの安心感は俄然高まると思います。シャッターをおろしている店が大半という商店街の片隅に、農機具専門店がありましたら、臆せず覗いてみてください。

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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