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週末は田舎暮らし! を始めよう(25)

【48とか】田舎暮らししてみたらご当地アイドルの価値がわかった【興味なかったけど】(2/2ページ)

馬場未織馬場未織

2016/09/23

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自分だけのご当地アイドルがいる幸せ

地域ごとに行なわれるさまざまなイベントは、その土地を知らない人にとっては「質のいいものや、地域の特徴のあるものが買える」という以外には特にそそるものはないかもしれません。あまりにべたべたと内輪受けの雰囲気が漂っていたら寄りつきたいと思わなくなるでしょう。逆にニュートラルすぎるとデパートの催事場のように味気ないものになりまが、むしろそのほうが外部の人には買いやすいのかな、と思うこともあります。

ただ、地域をよく知る者、しばしば地域を訪れるファンにとっては、まったく違う角度からこれらのイベントを楽しむことができます。

知っている人たちと挨拶を交わすことができることの喜びは、大きいものです。挨拶できる人のいない状態から始まったわたしたちは、しみじみその価値を実感します。

ここで改めて、“地域での暮らし”とは、関わりが深まれば深まるほど、自らのなかでの価値が高められるものなのだと認識します。

また、外部からの(観光目線での)評価の高さと、地域内での幸福感は、必ずしも一致しないこともわかります。

田舎のコミュニティの規模感は、幸福感と大きく関係すると、言えそうです。顔の見えるご近所さんがいて、そのまわりにたまに顔の見えるご近所さんがいて、さらに「自分だけのご当地アイドル」がいて、それが目いっぱい遠いリアル。これくらいの規模感の地域にいると、暮らしの張り合いと安心感が心地よくバランスします。

有名なホンモノのご当地アイドルたちの存在にはてんで興味がなかったわたしですが、「会えるアイドル」を自分の環境になぞらえて考えてみると、その存在の意義に、合点がいった次第です。

あなたが暮らしたいと思っている地域の道の駅で、いま手に取った、その地元のトマト。

そこにあなただけのアイドルが潜んでいるかもしれません!

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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