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週末は田舎暮らし! を始めよう(17)

二地域居住。毎週持ち帰る”田舎のお土産”なーんだ?(2/2ページ)

馬場未織馬場未織

2016/05/20

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循環できないゴミのたまる世界はどこへいく

そういえば、わが家の敷地からは、たまに陶器のかけらが出てきます。

お茶碗や割れた一升瓶、あとはサザエの殻などもごろごろと。ここは貝塚だったのか? と思ったことがありました。笑。

いったい何でだろうとずっと不思議だったのですが、先日、田舎育ちの方が取材に来たときに「うちもそうです! なぜか“陶器や貝は埋めてもいい”という暗黙の了解があるんですよね」と言われて合点がいきました。

おそらく“陶器は土に還る”という判断があるのでしょう。実際は、何百年単位の時間がかかるのではないかと思いますけどね! ふふふ。わが家は築120年くらいですから、埋められているもののなかには、ちょっとしたお宝があったりするかもしれません。

それにしても、もっと遡ってゴミで埋立地をつくらなかった時代には、すべて循環できるものだけだったのだと思うと感慨深いです。ゴミ処理施設の建設問題もなく、埋立地の問題もなく、手元の暮らしでゴミが処理できていた時代。いまより不便で、いまより貧しく、いまよりサステイナブルな世界。

現代社会では循環できないものがどんどんたまっていきますが、さて、いったい地球はどうなっちゃうでしょう。

東京湾の埋立地は、あと30年ほどでいっぱいになるらしいです。
わたしたちの世代は、逃げ切り? 子どもたちの世代にクライシスが訪れる?
すぐそこに、手詰まりの未来が待っています。

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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