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週末は田舎暮らし! を始めよう(14)

震災大国に生きる。”複数の点”で支え合う暮らしとは(2/2ページ)

馬場未織馬場未織

2016/04/22

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いくつかの点で支え合う暮らし

もうひとつ。

こんなに震災の多い国、きっと海外から見たら「なんで住む人がいるんだ?」と思うだろうなと感じることがあります。

日本の活断層地図は真っ赤っか。

いま、あちらで地震が起こり、こちらで起こっていなくても、それは今の今だけの話です。どこで何が起こってもおかしくないのが日本です。

そんな災害大国に暮らすとき、居住地以外の土地に強いつながりを持つのは、安全保障として有効だと考えられます。

別に家を構えなくてもいい。何かあったとき、家族で身を寄せる伝手があったり、ヘルプを求めたり、頼れたり頼られたりできる関係があれば、どれだけ心強いか。助かるか。

離れているからこそ、助け合える場合があるのです。

とはいえ、安全保障はなかなか二地域居住のモチベーションにはなりませんね。笑。(友人でいますけどね、そういう発想の人も)。

特に震災でのメリットに限ったことではないと思います。いま住んでいない地域と関わりを持つなかで、その土地の豊かさを享受し、何かのときには恩返しをしたり、困っていたら手を差し伸べ、共に乗り越える。親戚のおばあちゃんちとのやりとりみたいな親密な関係があれば、そもそも日常の暮らしが豊かになりますよね。

1本足でふんばるのではなく、いくつかの点で支えていく暮らし。

それは、震災大国に暮らす知恵ともいえるのではないでしょうか。

 

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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