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映画「2001年宇宙の旅」にも登場

知っておきたい名作家具(7) エーロ・アールニオの「未来の椅子」(2/3ページ)

パップ英子パップ英子

2016/03/27

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キャンディがモチーフ! 遊ぶ心にあふれた「パスティル・チェア」


出所:Pastil Chair by Aarnio Eero - the only original by Adelta( http://www.eero-aarnio.com/24/Pastil-Chair.htm )

写真は川の上流でしょうか。とても斬新なグラフィックも魅力的なこちらの青い椅子。これもエーロの名作として知られる「パスティル・チェア」です。

パスティルは錠剤という意味らしく、エーロは甘いドロップ・キャンディからインスピレーションを受けてデザインしたそうです。このパスティル・チェアもFRPを用いた椅子で、写真のように屋外環境でも使える耐久性を備えています。 丸みを帯びた可愛らしいフォルムのラウンジチェアは、いまもなおインテリア・ファンに愛され続ける名作椅子です。


出所:Exclusive Interview With Martha Angus From San Francisco( http://www.homedit.com/exclusive-interview-with-martha-angus-from-san-francisco/ )

写真はアメリカのとあるインテリア・デザイナーさんのご自宅です。「パスティル・チェア」が可愛らしく、寝室空間にちょこんと収まっていますね。

パスティル・チェアの直径はボール・チェアの開口部とほぼ同じサイズ。底面は少し丸みがあり、ロッキングできるように工夫されたデザインです。床に限りなく近い低めのシートは、座る人々に安心感を与え、よりリラックスできるよう設計されています。

座るだけで楽しくなる「バブル・チェア」


出所:(C)Bubble Chair by Aarnio Eero - the only original by Adelta( http://www.eero-aarnio.com/23/Bubble-Chair.htm )

次にご紹介するのは、エーロが1968年にデザインした「バブル・チェア」。この椅子はまさに、ポップ・カルチャー黄金期に開花した、モダンデザインの名作です。

彼はこの椅子の前年にデザインした「ボール・チェア」に、光を取り入れようとして進化させた結果、このように無色透明で真正面から見ると円のカタチ、そして、側面から見ると半球となる形状でした。

エーロは当初、この椅子をチェーンで天井から吊り下げる仕様にしていましたが、さすがに一般家庭でその仕様での普及は上手くいかないと断念し、結局、天井に取り付けしなくてもいいハンギングベースの仕様に変更しました。

この不思議な無色透明の球体をつくるために、アクリル樹脂を加熱して、シャボン玉のように膨らませて成型していくそうです。

腰掛けるとまるでシャボン玉のなかに入ったような、フワフワとやっぱり不思議な気持ちに包まれる「バブル・チェア」。クッションには、動物の革やポリウレタン素材のものが備えつけられていますが、使う人それぞれがお気に入りのクッションを敷いて楽しむこともできます。まさに名前の通り、心までフワフワとはずむような、座るだけで楽しく、心地よくなる名作椅子です。

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この記事を書いた人

“FinoMagazin”(フィノマガジン)主宰(編集長)

ハンガリー在住コラムニスト。 食品会社でワインインポーター業務に従事した後、都内の広告代理店に転職。コピーライター、ディレクターとして勤務。百貨店やデパート、航空会社、ベビー・ブランド等のクリエイティブ広告で、インテリア製品のコピーライティング、ディレクション等を数多く手がける。 2013年、夫の国ハンガリーに移住後も育児に奮闘しながら執筆業に邁進。日本の雑誌(出版社)でハンガリー紹介記事(取材・撮影・文)を担当。また、自身とハンガリー人クリエイターとで運営するブダペスト発ウェブメディア“FinoMagazin”でもインテリアを含めたライフスタイル全般コラムを連載。美容メディアにてビューティ・コラム連載、その他、企業のWEBサイトや企画書制作、日本のTV局、広告代理店、メーカーからの依頼でハンガリー現地ロケ・コーディネート等、多岐に渡る業務をこなしている。 自身主宰のハンガリー情報WEBメディア “フィノマガジン” http://www.finomagazin.com/

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