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「遊びにきてね」と気軽に言えないホントの理由

「優雅な別荘暮らし」とはベツモノ! 二地域居住のリアル(2/2ページ)

馬場未織馬場未織

2016/02/19

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遊べるチャンスをうまくつくろう

実はこの話、「それをどうやって乗り切るか」ということだけではなく、みなさんが二地域居住をしている友達の家に遊びに行くときの意識について、考えていただきたいという気持ちがあって書いています。

自分もいずれそういう暮らしがしてみたいなあ、と思っている人ほど、友達の暮らしぶりは気になるはず。でも受け手側には、上記のような、なかなかうまく説明できない事情があったりもします。できればそれをうまく推し量ってみてから、遊びに行く約束をしてみてくださいね。

言うまでもありませんが、「絶対来てほしくない!」ということではないのです。タイミングさえ合えば、ぜひ来てほしい、というのも本音です。ただ、いつでもウェルカムというわけにはいかないよ、という、実はけっこう普通のことです。それが伝えにくいのは、「好きでやってる暮らしなんだから、基本的にそちらでの生活は自由だよね?」といった認識をもたれることがよくあるからだと思います。

普段からこの暮らしの苦労なんかも知っている友達や二地域居住者同士だと、そのあたりがツーカーで伝わります。忙しいよね! この時期だもんね! という理解がそもそもあるため、かなり前もって日程調整をします。あるいは、訪れる本人もちゃんとした農作業の恰好をして、がっつり手伝ってもらえるとそのあとのビールがとても美味しいです。逆に、冬場はわりとヒマなのを見越して、その時期に大いに遊んだり。どうせ1日使うなら、その日はみんなでとことん楽しもう! と、醤油づくりやキャンプファイアー、子どもたちを交えての合宿大会などもしたりします。

来客とのつきあい方は、それぞれのライフスタイルによってずいぶん違うとは思いますが、気の減るような場面が少なくなるよう工夫してみてください。両手を広げてウェルカム! という機会をたまにつくってメリハリのある生活を送れたらいいなあと思います。

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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