リア充なはずのパワーカップルの間で広がるプライベート・カウンセリング(2/4ページ)
北 淑+Kanausha Picks
2021/08/27
私「奥様のほうにカウンセリングを受けたほうがいいんじゃないか?と感じてらっしゃることがあるんですね」
男性「うちの嫁、地雷なんですよね」
私「地雷といいますと、すぐに怒り出すとか?」
男性「そうなんです。何が気に入らないのか、全く予想がつかない。僕は料理が趣味なので、この間は舞茸の炊き込みご飯を作って、それを一緒に食べていたら、急に機嫌が悪くなったので、『どうしたの?』って聞くと、『自分は何もできてないって思った』と言うんです。とくに何かあったわけでもないのに、それで驚いちゃって」
私「ご飯を作ってもらって食べていても、それが嬉しくない。逆に自分を責めている? 」
男性「とくに彼女は在宅ワークになってからのほうが仕事が忙しくなって、夜遅くまで仕事をしているし、休日も業務連絡が入るSNSから目が離れない……。コロナになってから外に出ることも少なくなって美容室に行かなくなったみたいで、髪が伸びたねっていったら、『気にしていることズケズケいうな』ってムッとされてしまって。それからは自分も仕事から帰って、家のドアを開けるとき、また、嫁の機嫌が悪くないか気になって、ため息が出るようになってきましたね。それで最近、眠れない日が増えたと思います。僕のほうも余裕がないのかな」
自分の本音を口にできない夫が抱いた不安
イメージ/©︎yurolai・123RF
男性の話によれば、奥様は34歳。コロナ以前からキャリアアップを目指すか、子どもを作るかで悩んでいたといいます。しかし、コロナが広がるなかで、奥様の上司が、突然、ドロップアウト。管理職のポストが空席になり、役員直々にそのポストに就けるようにと叱咤激励され、これまで以上に仕事に取り組むようになったと男性は話します。
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この記事を書いた人
公認心理師 博士(医学)
大手不動産会社で産業保健活動を行う一方、都内で親子や夫婦の関係改善のためのプライベートカウンセリングを実践している。また、最近は、Webカウンセリングも行い、関東甲信越や東北地方の人たちとのセッションにも力を入れている。