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【京都で愉しむセカンドライフ】「京都」デュアルライフ――旅行では味わえない「祇園祭の魅力」(2/3ページ)

奥村 彰太郎奥村 彰太郎

2020/07/03

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絢爛豪華な山鉾巡行は、まるで動く美術館

とくに前祭は「長刀鉾(なぎなたほこ)」「月鉾」「菊水鉾」など大型の「鉾」が巡行するので見応えがある。鉾の高さは地上から先端まで約25m、鉾先には長刀や月などの飾りが付けられ、重さは10トンになるという。

一方「山」は鉾に比べると小さいが、上部に松の木などを立て、故事に因んだ題材の飾り付けがされている。からくり仕掛けの蟷螂(かまきり)を屋根にのせた山や、船の形をした鉾もある。胴の部分には16〜18世紀にペルシャやインド、トルコ、中国などで織られた絨毯が懸けられ、まるで動く美術館だ。鉾の舞台では、コンチキチン♪コンチキチン♪と祇園囃子が演奏され、50人ぐらいの綱の曳手により巡行する。巡行の順番は「くじ取式」によって決まるが、毎年先頭は「長刀鉾」と決められている。長刀鉾には「生稚児(いきちご)」と呼ばれる小学生の男児が乗り、四条通に渡された注連縄(しめなわ)を太刀で切ることで巡行が始まる。巡行の見どころだ。


山鉾巡行注連縄切り 

もう一つの見どころは「辻廻し」、鉾が交差点で方向転換する場面だ。鉾の車輪の前に割り竹を敷き、回る方向に綱を引くことで方向転換を図る。10トンもの鉾が音を立てて横滑りする姿は迫力がある。御池通には有料観覧席があるが、四条通や河原町通の歩道からも人混みを覚悟すれば見ることができる。巡行の帰り道となる新町通は、山鉾との距離も近く迫力ある巡行が見られる穴場かもしれない。


山鉾巡行辻廻し 

山鉾巡行の前日、前々日は「宵山」「宵々山」と呼ばれ、夜になると京都中心部の四条通と烏丸通が歩行者天国となり多くの屋台が出る。各山鉾を飾る駒形提灯が点灯され、祇園囃子が賑やかに奏でられるなかを、山鉾の胴を飾る絨毯などの装飾品を見学したり、商店などが秘蔵する屏風などの美術品を飾る「屏風祭」を眺めて回るなど独特の雰囲気を楽しめる。


新町通の山鉾巡行 

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー&キャリア・カウンセラー

1953年東京生まれ、東京都立大学卒業、株式会社リクルートに入社。進学や住宅の情報誌の営業や企画・人事・総務などの管理職を務め、1995年マネー情報誌『あるじゃん』を創刊。発行人を務めた後、2004 年 ファイナンシャル・プランナー&キャリア・カウンセラーの資格を活かし、“キャリアとお金”のアドバイザーとして独立。企業研修の講師や個別相談を中心に活動中。大学の非常勤講師も務める。東京と京都のデュアルライフを実践中。

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