税金はどれくらいかかる? 築古木造アパートの高値売却に成功するために知っておくべき5つのこと(2/4ページ)
牧野寿和
2017/07/04
<ポイント2>売却価格の計算方法を知っておこう
売却を依頼する不動産会社の目星がついたら、それぞれの会社に収益物件として売却する場合、更地にして売却する場合の価格査定をしてもらいます。通常、売却価格の査定は無料でしてくれます。
もちろん、ご自身でもネットで、アパートの近隣で売り出されている条件の近い収益物件や、宅地の販売価格をリサーチして、おおよその売買価格を知っておくことも大切です。
では、売却価格の計算方法をご説明しましょう。売却する物件は以下の通りとします。
・物件種別:アパート一棟(建築後約30年木造モルタル造り)
・部屋数:10室
・敷地面積:500㎡(約150坪)
・建物の資産価値:築古のため0円
・家賃:毎月5万円(満室の場合は年間600万円の家賃収入)現在満室
・減価償却費:償却済み
・立地:最寄りの鉄道の駅から徒歩5分
収益物件は、収益還元法で売却価格を計算する
収益物件と更地では算出する方法も売却価格も違います。
まず、収益物件の場合は、「収益還元法」で売却価格を計算します。収益還元法とは、このアパートをこのまま経営していた場合どのくらいの利益が見込めるか、その期待できる収益から還元して売却価格を計算する方法です。
投資家としてこのアパートを購入した場合、どれくらいの利回りを期待するかを決め、その期待する利回りから売却価格を還元します。
築年数や立地によりますが、通常、利回りは7~10%程度を望みます。しかし、対象の物件は築古木造アパートですので、今後のメンテナンスや家賃収入が下がることも考慮して、利回りを12%で計算します。
すると売却価格は、500万円(年間収入)÷12%=約4166万円となります。
この記事を書いた人
CFP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士
1958年名古屋生まれ、大学卒業後、約20年間旅行会社に勤務。出張先のロサンゼルスでファイナンシャルプランナー(FP)に出会い、その業務に感銘を受け、自らもFP事務所を開業。 その後12年間。どの組織にも属さない「独立系」FPとして、誰でも必要なお金のことを気軽に考えてもらうため「人生を旅に例え、お金とも気楽に付き合う」を信念に、日本で唯一の「人生の添乗員(R)」と名乗り、個別相談業務を行なうとともにセミナー講師として活動している。 また、賃貸不動産の経営もしており、不動産経営や投資の相談にも数多くのアドバイスやプランニングをしている。