決断するならいま! 地方の築古木造アパートをすぐに売却すべき、これだけの理由(2/5ページ)
牧野寿和
2017/06/22
リフォームにどこまでお金をかけるべきか?
オーナーにとって、どこまでリフォームにお金をかけるかは悩みのタネと言えるでしょう。リフォーム業者のなかには、費用をかけて思い切ったリフォームをすれば、魅力的な部屋になるので早く入居者を決めることができますというセールスをかけてくるところもあります。
ですが、業者のその言葉を簡単に信じてはいけません。オーナーのなかにも、そういった考えを持っている人もいるようですが、それは勘違いと言えます。
たしかに、築古木造アパートといえども、部屋は商品です。部屋をよく見せるためには多少費用をかけることは必要です。しかし、そこに過剰にお金を掛けることはないことがポイントです。
築古アパートに入居を希望する人は、家賃の安さを求めている人が多くいます。新築アパートやマンションのように、建物や設備が新しいことを期待して入居するわけではありません。ですから、築古といえども手入れが行き届いている、また小奇麗だと評価される程度のリフォームでいいのです。
リフォームの費用を抑えることができるのは、築古木造アパートのメリットとも言えるでしょう。
リフォームにお金をかけても回収が大変
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もし、業者の言葉通りにリフォームしたとしましょう。たとえばリフォーム費用を100万円かけたらどうなるでしょうか。
確かに部屋はきれいになるかもしれませんが、だからといって、賃料収入が上がるわけではありません。このご時世に築古木造アパートの家賃を上げることは簡単ではないからです。
それよりも、かけたお金の回収が大変です。
仮に、家賃が1カ月5万円なら、リフォームをしてすぐ入居が決まっても、100万円の投資を回収するには単純計算で少なくとも20カ月(1年8カ月)かかります。つまり、1年9カ月後からしか実質的な収入にはなりません。
それどころか、もしも入居者が決まらなかったら、いつまでたっても100万円のリフォーム代を回収することもできません。
築古木造アパートのリフォームは、このように高額なお金をかけても、家賃収入には結びつかないものなのです。
この記事を書いた人
CFP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士
1958年名古屋生まれ、大学卒業後、約20年間旅行会社に勤務。出張先のロサンゼルスでファイナンシャルプランナー(FP)に出会い、その業務に感銘を受け、自らもFP事務所を開業。 その後12年間。どの組織にも属さない「独立系」FPとして、誰でも必要なお金のことを気軽に考えてもらうため「人生を旅に例え、お金とも気楽に付き合う」を信念に、日本で唯一の「人生の添乗員(R)」と名乗り、個別相談業務を行なうとともにセミナー講師として活動している。 また、賃貸不動産の経営もしており、不動産経営や投資の相談にも数多くのアドバイスやプランニングをしている。