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「儲かる不動産投資の教科書」著者、和田一人さんに聞く

利回りは信じるな! 累計投資額1000億円の不動産投資のプロ、和田一人さんが語る価値ある物件の見分け方(2/4ページ)

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「利回りが高い物件はリスクが低い」というのは誤解

——利回りについてもう少し詳しく教えてください。

和田:不動産投資を始める上で、まず知っておいてほしいのは、「業者がもっぱら提示する利回りは本当の収益性を示していない」ということです。

業者が説明に使うのはだいたいの場合、「表面利回り」です。ですが、不動産のプロ同士の会話で、表面利回りについて触れることはまずありません。表面利回りは、実態を反映した数字ではないからです。

不動産投資について勉強したことのある方ならご存知かもしれませんが、表面利回りとは、「満室になった場合の年間賃料収入」を「物件の販売価格」で割って算出した数値です。

最良の状態(満室)を想定した収益性である上に、その物件を購入する際はもちろん、購入後にも発生する諸経費をまったく考慮していない数値ですから、実態とはかけ離れた高い数字となるケースも少なくありません。

たとえば、東京の山の手線沿いに、表面利回りが40%を超えるオフィスビルがありました。このビルは、貸床面積(建物のなかで貸し出している部分)が小さい、いわゆる“ペンシルビル”で、賃料収入はあまり取れないのですが、それ以上に物件価格が安いために見かけ上の利回り、つまり表面利回りが高くなっているのです。

ですが、問題は経費です。まず、エレベーターの保守点検費用は貸床面積が小さくても一定額がかかります。また清掃代や修繕費なども面積が半分になれば半分ですむというものではありません。

つまり、賃料収入は少ないけれど一定の経費がかかるので、収入に占める経費の割合が高くなってしまうのです。実際の利回りを計算してみたところ、5%以下にしかならないという結果が出ました。

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