ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

賃貸経営における永遠のテーマ「空室対策」——リフォーム工事費のコストダウン(1/2ページ)

廣田 裕司廣田 裕司

2022/02/22

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

イメージ/©︎zazamaza・123RF

皆さんこんにちは。大家兼不動産屋の廣田裕司です。

2月に入り、東京では雪が降り寒い日が続いています。繁忙期も中盤から終盤に差掛ってきましたが、皆さんの募集状況はいかがでしょうか?
 
さて、賃貸経営で、原状回復工事などのリフォーム工事などの工事費は、一回の金額が高額になることが多いので、コストダウンに関するご相談をよく受けることがあります。そこで今回は、リフォーム工事費のコストダウンについて書いていきます。

リフォーム工事の見積書を精査する 

管理会社やリフォーム会社から提示される“リフォーム工事の見積書”をよく見ていますか。見積もりの総額だけを見て、明細をよく見ない人が多いのではないでしょうか。見積書の明細を精査することでもコストダウンできることもあります。

○見積書はどのように記載されているか
見積書は、いろいろな書式で書かれていると思いますが、基本的に次のように記載されています。

 見積金額 = 工事費の合計 + 管理費(経費)

工事費の合計は、工事項目(例:クロス工事、ルームクリーニングなど)ごとに、

 工事費 = 施工数量 × 単価

算出し、工事項目ごとに算出した工事費の合計になります。工事費の内訳は、

 工事費 = 材料費 + 施工費 

に分けられます。工事費の内訳は、見積書に記載されないケースもあります。

○工事内容を考える
工事項目ごとに、今回の工事でその工事項目が必要かどうかを判断します。必要ないと思われる工事項目を中止することで、工事費のコストダウンになります。

工事項目の要否の判断基準としては、まず、修理・修繕する項目は必須です。設備などが、故障している状態では、家賃をいただけないので当然実施します。

次は、そのお部屋のコンセプト(どんなお部屋にするか)に照らして、工事項目の要否を判断します。コンセプトにそぐわない工事項目は、バッサリ中止してもよいと思います。

また、必要と思われる工事が抜けている場合もあります。必要ない工事をチェックするとともに、工事項目の抜けにも注意しましょう。

複数の業者から見積もりを取る ~相見積もり~

工事費の妥当性を判断する方法として、複数のリフォーム会社へ見積もりを依頼し、見積金額を比較する方法があります。「相見積もり」と言われている方法です。

複数の会社へ見積もりを依頼するときは、実施したい工事の範囲・仕様を明確にして依頼します。

各社の見積金額だけを比較して、単純に安いからと言ってその会社に発注しても、工事項目や工事範囲に抜けがあると、後から追加工事費が発生し、結果的に高くなってしまうこともあります。
 
相見積もりは手間と時間がかかります。また、相見積もりをお願いするだけで、実際に工事を発注しないと、その業者から嫌われる可能性もあります。大規模修繕工事や間取り変更などの、工事費が高額になる場合に絞って実施するのがいいと思います。

次ページ ▶︎ | 専門業者に直接発注する ~分離発注~ 

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

「合同会社アップ」代表 「行動する大家さんの会」代表

妻の実家の賃貸事業を引き継ぎ、賃貸経営に関わるようになる。サラリーマン時代の経験を活かし、原状回復費の低減、稼働率アップに成功。賃貸経営での経験をベースにセミナー講師としても活動。2014年大家仲間と一緒に、管理会社「みまもルーム」設立に参加。大家さんとしての経験、不動産業者としての経験を活かし、大家さんの賃貸経営をサポートする会社「合同会社アップ」を設立。大家さんのサポート活動を展開中。

ページのトップへ

ウチコミ!