入居者に愛される「便利なモノ貸しますオーナー」になる(1/2ページ)
賃貸幸せラボラトリー
2022/02/19
イメージ/©︎belchonock・123RF
住む場所が入居者と近ければチャンス
賃貸住宅オーナーのなかには、例えば自らは東京に住んでいて、物件を札幌や福岡といった遠くの街に持つ人もいる。リスクも指摘されるが、あえてこうした投資に乗り出すオーナーもいないわけではない。
一方、それとは逆に、近くも近く、自身が住んでいる自宅建物の中に賃貸物件を持つ人もいる。
このうち後者では「下宿」「間貸し」といった形態が昔はよく見られた。だが、いまどき多いのは「賃貸併用住宅」だ。オーナーと入居者は同じ屋根の下に住むが、双方の住戸はエントランスも含めてプライバシーが交じり合わないよう、明確に区分けされている。
さらに、建物は別でも、オーナー宅が物件に隣接していたり、近接していたりする場合もよくある。
そこで、こうした賃貸併用や物件隣接・近接といったケースでは、オーナーのなかには場所の利を生かして積極的に入居者とコミュニケーションをとり、それを賃貸経営安定の基盤とする人も少なからず存在する。
「便利なモノ貸しますオーナー」は、そんなオーナーの一部だ。入居者が「生活上必要なときもあるけれど、わざわざ買うまでには至らない――でも、あったらやはり便利だ」と、感じているような道具・グッズなどをオーナーが用意し、入居者に快く貸し出すのだ。
喜ばれることに加え、長期入居の後押しともなりそうな、しかも実行しやすいおススメのやり方だ。以下、実例をもとに、代表的な道具・グッズなどを挙げていこう。
物件内での事故防止にも…「脚立」
部屋の照明を交換する際など、その位置が高いことに苦慮している入居者はとても多い。そこで、室内用の脚立を用意し、入居者が必要な時はこれを貸し出すオーナーがいる。テーブルに椅子を重ねて乗ってしまうなど、危険な行為が避けられることで、物件内での事故も予防できる。脚立はその意味でもおススメの貸し出しグッズだ。ステップの広い、上にのぼりやすいタイプのものを用意したい。
良い品だとかさばる…「自転車の空気入れ」
自転車には必需品の空気入れ。ところが、使いやすいフロアポンプタイプのものだと若干サイズが大きくなるのが玉にキズだ。賃貸住宅の部屋の玄関に置くには邪魔な場合も少なくない。そこで、そんなフロアポンプ式の便利な空気入れを入居者に貸し出すため、エントランスに常備しているオーナーがいる。ただし、それでも女性の場合、腕の力が弱く扱いが大変な方もいるということで、そのオーナー、「よかったら私が掃除の時にたまにタイヤを見てあげましょう。空気が減っていたら入れてあげます」――との声掛けもしているそうだ。
個人ではなかなか買わない…「シュレッダー」
郵便物の入っていた封筒やダイレクトメール、その他書類など、住所・氏名等の個人情報が記された紙類の廃棄に面倒を感じている人は、賃貸住宅の入居者に限らず数多い。そこで、あるオーナーはシュレッダーを入居者に貸し出し、喜ばれている。個人ではなかなか購入には踏み切れない、家庭用ながら処理能力の高い電動式だ。もちろん、貸し出していないときはオーナー自身が使っている。
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編集者・ライター
賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室