ファミリー向け分譲マンションに特化した不動産投資法――ファミリー向け分譲マンションで不動産投資をする理由④(3/4ページ)
横山 顕吾
2021/09/17
修繕積立金制度
メリットの13番目は、「大規模修繕費用の心配が少ない」ということです。
分譲マンションは、建築された日から修繕積立金を貯めるという仕組みがあります。一棟物で修繕積立金制度を採用している物件はほとんど聞いたことがありません。したがって、一棟物と比べて大規模修繕費の心配が少ないです。
しかも、中古区分マンションを購入した場合は、今まで貯まっている修繕積立金を引継ぐことができます。前のオーナーが払ってくれた修繕積立金は、前のオーナーに返金されることもありません。
一方、中古一棟物を購入する場合は、仮に前所有者が修繕積立金を貯めていたとしても、それを引き継ぐことはありません。築10年でも築20年でも、その経年劣化をゼロから受け入れる必要があり、すべての修繕対応が必要になります。
さらに、分譲マンションの場合、緊急事態が起こり大きな工事が必要になっても組合の修繕積立金で対応します。仮に工事代が足りない場合でも、全所有者で平等に負担しますので、個人的な負担額は少なくなります。一棟物の場合は、工事代の全てを所有者で負担するリスクが常にあります。
30年間の長期修繕計画
メリットの14番目は、「長期修繕計画がある」ということです。
通常の分譲マンション管理がされていれば、長期修繕計画はあります。長期修繕計画とは、今後30年間で予測される修繕内容を一覧にしたものです。30年間の工事代金総合計が出ますので、逆算して、月々各所有者から徴収する修繕積立金額を算定するための根拠となる資料です。
一方、一棟物に長期修繕計画を備えている物件はほとんどありません。したがって、躯体や設備をどのくらいの期間でどういうメンテナンスをしていくのかが分かりません。
この記事を書いた人
マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸経営アドバイザー、防火管理者、損害保険募集人
1970年岡山市生まれ。筑波大学体育専門学群卒業後、転職を繰り返し、6つ目の勤務先として分譲マンション管理会社に就職。2008年から一般財団法人日本不動産コニュニティー(J-REC)広島支部長を務め、12年に投資用分譲マンション2戸を取得。17年に区分マンション所有に特化した専業家主へ転身。趣味はリフォーム、ラグビー観戦。