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賃貸経営における永遠のテーマ「空室対策」――管理会社について考える②(2/3ページ)

廣田 裕司廣田 裕司

2021/08/16

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管理会社は経営代行会社か

賃貸経営では、入居者の管理、建物の管理、お金の管理の3つの管理が必須です。このうち管理会社が大家さんに代わってやってくれるのは、主に入居者の管理と建物の管理です。管理会社は、大家さん代わって賃貸経営をすべて代行してくれる会社ではありません。特に、お金の管理に関しては、家賃の回収以外は管理会社の業務から外れています。例えば、資金繰り、税金に関しては、管理会社がサポートしてくれる訳ではありません。

また管理会社さんは、業務を代行してくれるといっても実際にはそのオペレーションの代行してくれるだけです。どのような方針で業務を進めるかといった、意思決定は大家さんの仕事です。

管理会社は大家さんの賃貸経営のサポートをしてくれる存在ですが、全面的に賃貸経営を代行してくれる訳ではありません。管理会社が代行してくれる業務の範囲を理解したうえで、管理会社と付き合うことが大切です。

大家さんと管理会社の関係

賃貸経営を円滑に進めるためには、大家さんは管理会社と良好な関係を構築することが重要です。良好な関係を構築するために、管理会社に要望するだけではなく、大家さんとして心がけておきたいことを書いていきます。

【考え方の違い】
空室に新しい人に入居してもらうことは、大家さんと管理会社の共通の課題です。新しい人が入居後、大家さんは、一日でも長く住んでもらえることを望んでいますが、管理会社の立場で考えると、長期入居が必ずしも管理会社さんにとっていいことではありません。

管理会社は、入退去時に発生する、原状回復工事費用や業務委託手数料の方が通常の管理費より大きな売上になるからです。(だからといって、長期入居を阻害するような管理会社は存在しないと思います)このようにお互いの考え方に違いがあります。この考え方の違いを理解したうえで、お付き合いすることが大切です。

【共通のお客様は入居者様】
管理会社は、管理料を支払ってくれる大家さんをお客様と考えます。しかし、その管理料は入居者さんが支払った家賃から支払われます。つまり、大家さんと管理会社の共通のお客様は入居者さんです。そして大家さんと管理会社はフラットな関係が望ましいと思います。 

【コミュニケーション】
管理会社との関係だけに限ったことではありませんが、良好な関係を構築するためには“コミュニケーション”が重要です。管理会社の担当者とスムーズに意思疎通ができるように、日頃から話をするように心がけましょう。

担当者からのいろいろな問い合わせに対し、できるだけ早く返答をしましょう。問い合わせは、入居者さんからのものが多くあり、返答を保留するとお客様である入居者さんを待たせることにもなります。

また、管理会社の担当者とだけでなく、その上司の方や同僚の方にも挨拶しておき、担当者が不在のときでも対応してもらえるような関係を構築しましょう。

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この記事を書いた人

「合同会社アップ」代表 「行動する大家さんの会」代表

妻の実家の賃貸事業を引き継ぎ、賃貸経営に関わるようになる。サラリーマン時代の経験を活かし、原状回復費の低減、稼働率アップに成功。賃貸経営での経験をベースにセミナー講師としても活動。2014年大家仲間と一緒に、管理会社「みまもルーム」設立に参加。大家さんとしての経験、不動産業者としての経験を活かし、大家さんの賃貸経営をサポートする会社「合同会社アップ」を設立。大家さんのサポート活動を展開中。

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