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火災保険の保険料を取り戻す 使い道自由な火災保険の保険金の受け取り方(3/3ページ)

小川 純小川 純

2021/05/12

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「工事とセット」の請求代行は問題あり

こうした火災保険の請求では書類や見積もりの作成、損害部分の写真撮影などがあり、手間もかかる。そのため保険請求の代行を行うという業者は多い。

しかし、こうした業者の中には違法なものもあるという。実際、損害保険会社の業界団体である損害保険協会のホームページにも注意喚起が促されている。このことについて三谷さんはこう話す。

「業者もピンキリで悪い業者もいるようです。とくにここ2~3年で多くなった気がします。なかにはリフォームや修理工事とセットだったり、保険の見積もり額を多く出したりするところもあります。弊社では最初にうかがったときにきちんと内容を説明して契約書をつくってから調査を行っています。このときに成功報酬として、支払われた保険料の35%~40%+税をいただくこともお話ししています。10年あまりやってきましたが、これまでトラブルは一切ありません」

35%~40%+税という成功報酬のどのように出されているのだろうか。

「35%~40%というのは私の考えです。ご依頼主にご不満の出ない範囲内と思っています。この成功報酬の35%~40%には調査を行うための交通費なども含まれていて、これ以上の支払いは一切ありません。もちろん、成功報酬なので、保険金が支払われなかったら一切いただいていません」

特筆すべきは、こうして請求を行い支払われた保険料は、必ずしも該当箇所の修繕に使わなくてはならないというわけではないこと。要は何に使っても自由ということだ。言い換えれば、リフォームや修理工事とセットにした保険請求の代行はそれだけでも「問題あり」ということになる。

賃貸住宅のオーナーや分譲マンションの管理組合にとって、十数年周期で行われる大規模修繕にかかる費用は頭の痛い問題。

ただ保険料を支払っているだけでなく、こうした火災保険の活用も1つの方法といえるのではないだろうか。

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この記事を書いた人

編集者・ライター

週刊、月刊誌の編集記者、出版社勤務を経てフリーランスに。経済・事件・ビジネス、またファイナンシャルプランナーの知識を生かし、年金や保険など幅広いジャンルで編集ライターとして雑誌などでの執筆活動、出版プロデュースなどを行っている。

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