算多きは勝ち、算少なきは勝たず――「絶対に負けない体制を整える」 ⼤家業としての「戦略」を忘れるな(5/6ページ)
ウチコミ!タイムズ編集部
2020/11/04
——仕事をお願いする相⼿が楽しくできるかどうかもポイントだということですね。
ただ「安くしろ」と⾔われても、誰だって嫌じゃないですか。相⼿のセンスをほめてアイデアを出してもらったり、感謝の気持ちを伝えたりすることはとても⼤切だと思います。
「相手のセンスをほめたり、感謝の気持ちを伝えたりすることが⼤切」と話す木村オーナー
——物件を新たに購⼊するときに⼼掛けていることはありますか。
さきほどの⼤⼯さんに⼿を⼊れてもらった物件もそうですが、ペルソナ設定をきちんと⾏います。
埼⽟県の⼤宮駅から電⾞で4つ⽬に⽩岡駅があります。通勤などを考える⼊居者は、⼤宮駅から3つ⽬くらいの駅までで物件を探すことが多いそうです。しかし、私は、その1駅に⼤きな差はないと考えました。⽩岡は2DKのアパートで家賃4万円くらいが相場です。私はその⽩岡で1K、5万円の物件を作りました。
——もともとどのような物件だったんですか。
駅から商店街を歩いて3分、三⽅⾓地です。この物件に住む⼈について、「夜遅くまで働いている⼥性、ペット好き」というイメージが湧きました。駅から近くて商店街であれば、遅く帰ってきても怖い思いをすることはあまりないでしょう。また、飼い猫は家の中から窓の外を⾒ることでリラックスできるということも調べて分かりました。つまり、三⽅⾓地の⼟地は猫にぴったりです。
こういった⼊居者をターゲットにしたことで、私の予想通り、⼀度満室になった後は、ほぼ空室にはなっていません。
——管理会社に相談すれば出てこないアイデアかもしれませんね。
このペルソナ設定を管理会社に話しましたが、けっこう⽌められましたよ。やはり、管理会社は、どこの駅で駅から何分、何㎡といったデータで判断することが多いと思います。⼤家は、反対する理由をきちんと聞くというヒアリング⼒も必要だと思います。
木村オーナーがペルソナ設定を行い、リフォームをした物件の事例 左:Before 右:After
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