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算多きは勝ち、算少なきは勝たず――「絶対に負けない体制を整える」 ⼤家業としての「戦略」を忘れるな(3/6ページ)

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魅力のない物件も戦略でカバーする

——そこから⽊村さんの不動産投資が変わっていくんですね。

私の⼈⽣では、孫⼦の「勝てない敵とは戦わない」「戦略を⽴てる」「戦わずして勝つ」という考えを重視しています。

1棟⽬の物件は、駅から遠くて、築古で、隣にうるさい⼯場がある。つまり魅⼒がなく、普通の物件と戦っても勝つことはできません。8割の⼈がいいと思う物件ではなく、1割がいいと思ってくれるトガった物件を作ることにしました。さらに、転売を出⼝にすることにしました。

——家賃を⾼くして、物件そのものを⾼く売るということですね。 

収益に対する不動産の評価額を計算するキャップレートを意識します。たとえば、キャップレート6%で家賃が1万円上がると、1万円×12カ⽉÷0.06という計算になり、200万円の価値を⽣むことになります。こう考えれば、100万円を投資してトガったリフォームをしても利益になりますよね。そのため、家賃を上げることに全⼒を注ぎました。そして、個⼈で不動産を購⼊した場合に売却の税率が20%に下がる6年後、転売して⼀気に利益を出しました。

——キャッシュ・フローを求める⼤家さんがほとんどだと思います。1棟⽬の購⼊から半年でその発想になる⼤家さんはなかなかいないでしょうね。

私も最初はキャッシュ・フローだと思っていました。読んできた本にも、私がやってきたような⽅法は書かれていませんでしたから。しかし、購⼊から半年経過した時点では、どの物件も⾼かったんですね。

融資が出ているから⾼いということ、その後は下がっていくだろうということは感覚的に分かりました。

そこで、融資が出ている間に安い物件を購⼊・即転売してキャッシュを残し、融資が締まり出してからが勝負だと考えました。

1棟⽬を購⼊したのが2009年、売却したのが15年です。そして、16年に3棟購⼊して、17年度中に全部売却。約1億円の現⾦を作ることに成功しました。

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