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仕送り額が過去最低!

それでも家賃の安い部屋には住まない?大学生(3/4ページ)

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すなわち、「仕送りは下がる、家賃は上がっていく」ということで、「仕送り額に占める家賃の割合は75.6%で過去最高」というのが、今回の調査結果です。


そこで、単純計算してみましょう。


2018年度の平均仕送り額83,100円 - 同平均家賃62,800円 = 20,300円


と、なります。


なんと、わずか2万円ほどしか学生さん本人の手元には残らない計算です。これではかなりの長時間をアルバイトに費やさなければ、なかなかやってはいけません。


ここで、冒頭に示した「謎」です。


特に、築古物件をお持ちのオーナーさんは思うにちがいありません。「なぜ学生さん、もっと安い部屋に住まないの?」と。


「建物が古かったり、駅から遠かったりするけれど、昔みたいな3万円台や4万円そこそこのお部屋、探せば結構ありますよ」と。


まったくです。この疑問、つい5~6年ほど前まで、仲介会社のスタッフなど、現場の働き手の間でもよく話題とされていました。


そのため、


「大学に近い築古物件を買った。安く買えたので思い切り家賃を下げた。もちろん学生をねらったつもりだった。ところが入居してくれたのはほとんどお勤めの方。しかも、ご年配が多かった」


そんな経験をされているオーナーさんも、実際少なくないといいます。


そこで、いまはこんな答えを唱える人がいます。おそらくほぼ正解でしょう。


それは、住環境の変化です。


たとえば、2010年以降の学生さんといえば、ほとんどが1990年以降の生まれです。90年代以降の平均的な住環境で育ってきた彼らにとって、現在3~4万円そこそこの家賃で暮らせる部屋というのは、品質面での落差があまりにも大きいのです。


たとえば、都心近くの「〇〇荘・風呂無し・和式トイレ・35,000円」クラスはもちろんのこと、郊外鉄道沿線に建つ「コーポ〇〇・3点ユニット・室外洗濯機置場・35,000円」でも、彼らの多くは耐えられません。


と同時に、親御さんの方も、「実家とあまりにかけ離れた環境では娘や息子が勉強に集中できない」ということで、たとえ苦しくとも、この面での妥協は避けるケースが多いという指摘です。

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この記事を書いた人

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