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セカンドハウスローンの利用方法と注意点

資産形成を考えるなら、セカンドハウスは購入したほうが得(2/2ページ)

牧野寿和牧野寿和

2016/12/08

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セカンドハウスを買うなら【フラット35】がおすすめ

そこで、検討したいのが【フラット35】での借り入れです。【フラット35】であれば、セカンドハウスであっても、通常の住宅ローンと同じ条件で融資が受けられるので、住宅ローンを借りるときの金利と同じ金利が適用されるということです。
また、【フラット35】は全期間固定金利型ですから、金利上昇リスクもなく、長期の安定した返済計画を立てられることも大きなメリットといえるでしょう。

ただし、【フラット35】で融資を受けるには、セカンドハウスであるかどうかに関わらず、その住宅が、住宅金融支援機構で定めた技術基準を満たしているかどうか検査を受けて、適合証明書を取得することが必要です。

セカンドハウスローンの審査はどこを見るのか

では、セカンドハウスローンの審査は、どのように行なわれるのでしょうか。審査のポイントと審査を受ける際の注意点について見ていきましょう。

(1)購入するのは投資用物件ではないか確認される
まず、セカンドハウスローンを申し込む際には、その購入理由を明確にしておきましょう。金融機関が気にするのは、“投資用物件を居住用と偽って融資の申し込みをしていないか”ということです。投資用物件には投資用のローンが適用されるため、投資用物件ではないかと疑われると審査を通すのはむずかしくなってしまいます。

(2)確実に返済していけるかどうか
次に審査のポイントですが、通常、金融機関は住宅ローンの融資をする場合、「人」(職業、勤務年数や収入など)と「物件」を審査します。これは、セカンドハウスローンであっても基本的には同じです。
自宅の住宅ローンや自動車ローンなどを返済中の人であれば、その返済額に加えて、セカンドハウスローンを返済していくことが可能かどうか、慎重に審査されることになります。当然、過去に住宅ローンを組んでいる人ならば、毎月滞りなく返済をしてきたか、その返済実績も審査の対象となるでしょう。
また、できればファイナンシャルプランナーなどと相談して、今後のライフプランと家計の収支がわかる返済計画表を作成しておくといいでしょう。確実に返済していけることを金融機関に対して示す資料になるだけでなく、計画を立てることで、ご自身の家計を将来に渡って安定させることができます。

住宅ローン控除や借り換えは?

住宅ローン控除の対象となるのは、主に居住する住宅に限られます。したがって、セカンドハウスは、住宅ローン控除を受けることはできません。「すまい給付金」についても同様に、セカンドハウスは対象ではありません。
ちなみに、購入する物件や、物件のある地域によっては、不動産取得税や固定資産税の軽減措置を受けられる場合があります。物件を購入する予定の都道府県、または市区町村に、購入前に確認をしておきましょう。

一方、借り換えについては、「住宅ローン」と同様に「セカンドハウスローン」であっても借り換えはできます。その場合は、借り換えによって総返済額がいくら低減できるのか、手数料などの費用はいくらかも確認しておきましょう。

セカンドハウスも資産価値を重視して選ぶべき

先ほど、「資産を形成する」という視点を持つことについてお話をしました。その視点に立つとセカンドハウスを購入する際には、相続や老後の生活を見越して次のような将来の計画を立てておくことが大切です。

・子どもの下宿として購入した家にそのまま子どもを住まわせる
・自宅、セカンドハウスとも売却して、街中のマンションに引っ越す
・自宅またはセカンドハウスを賃貸に出して家賃収入を得る(ローンを完済している場合)
・セカンドハウスを事務所や店にして起業する(ローンを完済している場合)

どのような計画を立てるかによって、リフォームやメンテナンス費用も変わってきますし、将来の家計の収支にも影響を及ぼします。
セカンドハウスであっても、住宅という高価な買い物をする以上、将来の家計を考慮し、資産価値のある物件を購入することが大切です。そのことを念頭において、セカンドハウスのある暮らしを楽しんでいただきたいと思います。

情報提供元:イエトヒトマガジン( https://www.ietohito.jp/magazine/
記事名:「セカンドハウスを持つなら賃貸にするべき? それとも購入すべき?」( https://www.ietohito.jp/magazine/00000467 )/
(元記事公開日 2016/10/07)

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この記事を書いた人

CFP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士

1958年名古屋生まれ、大学卒業後、約20年間旅行会社に勤務。出張先のロサンゼルスでファイナンシャルプランナー(FP)に出会い、その業務に感銘を受け、自らもFP事務所を開業。 その後12年間。どの組織にも属さない「独立系」FPとして、誰でも必要なお金のことを気軽に考えてもらうため「人生を旅に例え、お金とも気楽に付き合う」を信念に、日本で唯一の「人生の添乗員(R)」と名乗り、個別相談業務を行なうとともにセミナー講師として活動している。 また、賃貸不動産の経営もしており、不動産経営や投資の相談にも数多くのアドバイスやプランニングをしている。

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