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「予算」と「規模」で考えるリフォームのコツ

築37年・屋根の抜け落ちた空き家を、新築同然に再生した方法とは?(2/2ページ)

高橋 洋子高橋 洋子

2016/07/28

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リフォーム前にプロに診断してもらう


リフォーム業者の無料の診断結果がまとまった報告書

リフォーム費用を抑えることは、投資効率を上げることにつながりますが、リフォームにお金のかからない家を見分けるのは至難の技です。

最近では、水平を計る機能をもったスマートフォン用のアプリがあり、マイホームを探しているご夫婦の内覧に同行すると、ご主人がスマートフォンを床に置いて、水平器のアプリで床の傾きを測りながら、「東側に1度傾いているのですが、どうしたらいいでしょうか」と不動産会社に質問する光景も見られます。

傾きのほかにも、木造一戸建てにありがちな、シロアリ被害、お風呂場の木の腐食などに気づく場合もあります。

自分の目で気づけばいいのですが、隠れたところの不具合まではなかなか見抜くことはできません。そこで、プロの目で家を厳しくチェックしてもらうことをおすすめします。

住宅そのものに欠陥があると修繕費用がかさむため、購入前に住宅診断(ホームインスペクション)を行なうといいでしょう。専門業者であるホームインスペクター(建物診断士)に依頼すれば、5万円ほどで家の状態を診断してもらえます。

ちなみにホームインスペクターの受験資格は特にありませんが、建築士、宅建資格保有者が受験するケースが多く、合格率は25%前後。相応の知識が必要です。それぐらい素人にはかなわない専門知識を持っています。

また、リノベーション業者の無料診断サービスを利用するのも賢い方法です。購入前の中古住宅でも診断してくれます。

リフォーム会社の無料の住宅診断を活用しよう

私は、築37年の中古一戸建てを買うかどうか迷っていたときに、リノベーション業者に無料診断を依頼しました。診断後に20ページほどの報告書にしてまとめてくれます。

家を目視でチェックしたあと、パソコンの専用ソフトに数値を入力し、画面上で家を揺らして、家の強度を調べるなど、とても素人ができるレベルではない診断をしてくれました。

こうした診断を受けたことで、私も家を買う前に、耐震状態の悪さや土台にひび割れがあることを知ることができたのです。

ただ、古い家の場合は、プロの目で診断を受けたとしても、壊してみて初めてわかることがあります。わが家の場合は、それはお風呂場でした。古い浴槽を取り外すと、浴槽を支えていた木のほとんどが腐っていたのです。リフォーム業者によると、在来工法で建てた木造一戸建てのお風呂の支柱は腐っていることが多いそうです。

空き家を購入する際には、しっかりと建物の状態をチェックして、リフォームプランも同時に考えながら物件を選ぶことをおすすめします。次回はリフォーム会社の選び方とリフォームプランの考え方について解説します。

 

 

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この記事を書いた人

暮らし研究所エメラルド・ホーム代表

暮らしのジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー 1979年岐阜県生まれ。 情報誌の編集、フリーライターを経て現職。空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、お得なマネー情報の研究に目覚め、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。講演・執筆・FP相談を通じて、家探しの基本から中古住宅の価値向上とリノベーションの魅力を伝えている。空き家活用に関するセミナーは3年でのべ2000名が参加し、「わかりやすくて、おもしろい。勇気がもらえる」と幅広い世代から好評を得ている。著書に『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)、『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)など。

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