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業界の悪しきカルチャーを暴く(3)

不動産業界では「情報の透明化」を謳う者こそ疑え(2/2ページ)

大友健右大友健右

2016/03/07

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しかし、「不動産テック」には希望がある

2012年に私が立ち上げた『ウチコミ!』も、「情報のオープン化・透明化」、「顧客本位のサービス」といった理念を同じくしていましたが、すぐに成果をあげられたわけではありません。

リフォーム会社のプロタイムズ総合研究所という屋台骨あったからこそ、利益を度外視してスタートさせることができましたが、軌道に乗ってきたのはここ最近のことです。『ウチコミ!』がどのようにして理念を曲げることなく運営できているのか、くどくどした宣伝になりかねないのでここでは語りません。知りたい人はサイトを訪ねてみてください。

よく、「不動産業界の揚げ足をとるようなことばかりしていて、圧力を受けたりしませんか?」と聞かれることがありますが、「そういうことはありません。普通に平和に面白く暮らしていますよ」と答えています。

不動産業界とて、非合法のあやしい組織ではありませんから、裏から手をまわして私を葬るようなことはしてきません(電車のホームで背後に人の気配を感じたり…)。表立って批判するにしても、「業界の既得権益にしがみつく権化」という役割を買って出ることになるのではばかられるのでしょう。

さて、改めて「不動産テック」という言葉を考えるとき、私自身は後ろ向きな考えではなく、前向きな考えを持っています。少なくともこの言葉は、「情報のオープン化・透明化」、「顧客本位のサービス」といった理念を多くの消費者が求めているからこそ生まれ、顕在化したはずです。

このことは、不動産業界にボディ・ブローのような効果をもたらすに違いないのです。私はそのことに希望を抱いています。

今回の結論
●IT技術によって革新的な変化をもたらそうとする「不動産テック」が盛り上がっている。
●ただし、不動産業界の内部および外部で起こっている「不動産テック」にはいまのところ失敗例になりつつある例が多い。
●とはいえ、「情報のオープン化・透明化」、「顧客本位のサービス」といった時代の流れを変えることはできない。

 

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この記事を書いた人

株式会社ウチコミ 代表取締役 株式会社総研ホールディングス 代表取締役 株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役 1972年生まれ。大手マンション会社で営業手法のノウハウを学んだのち、大手不動産建設会社に転職。東京エリアにおける統括部門長として多くの不動産関連会社と取引、不動産流通のオモテとウラを深く知る。 現在、株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役として、住宅リフォームを中心に事業を展開。また、株式会社ウチコミ 代表取締役として、賃貸情報サイト「ウチコミ!」を運営。入居の際の初期費用を削減できることから消費者の支持を集める。テレビ・新聞・雑誌などメディア出演も多数。

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