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家づくりを成功させる業者選び(1/4)

家づくりのパートナーに求めるべき、いちばん大切なこと

菅 正秀菅 正秀

2016/01/26

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ハウスメーカー・工務店・建築家、それぞれの特徴

 家づくりの一般的な発注先は、ハウスメーカー・工務店・建築家です。それぞれに特徴があるので、紹介しましょう。

(1)ハウスメーカー
 全国規模で幅広い営業網を持っていることから、土地探しや資金計画・アフターサービスまで一貫してプロデュースをしてくれます。経営基盤が安定している会社が多いことから、営業・施工体制も強固です。独自の工法を持ち、合理的な設計・工事を徹底し工期が短いのも特徴です。

 ただし、規格化されていますので、敷地の形によっては希望のシリーズが建てられなかったり、少しのカスタマイズが結構なコスト高になったりということもあります。 

(2)工務店
 地域密着型で機動力があります。打ち合わせ・メンテナンスにも素早く対応してくれますし、コストパフォーマンスの面でも優れています。

 ただ、会社の規模により得意、不得意な面があります。たとえば、在来工法のみで2×4工法はできないとか、木造3階建てには対応してませんとか、各工務店さんの得意な面とあなたが希望することが合致するか検討しましょう。

(3)建築家
 完全オリジナルな設計・工事監理を行なうのであれば建築家に頼みましょう。施工会社の選定・手配も行なってくれますが、設計監理料として工事費の8~15パーセントがかかるなど、コスト面では一番高くなります。

どのような会社をパートナーにすればいいのか

 このように、ハウスメーカー・工務店・建築家ではさまざまな特徴があるので、自分の家づくりを任せるのにふさわしい会社を選ぶのですが、どのような会社をパートナーにすればよいのでしょうか?

 家づくりは人生に何度も経験するものではないので、おそらく「最初で最後の大きな買い物」になる人がほとんどだと思います。ということは、ほとんどの人が何も知らない・わからない状態で家づくりに臨むことになります。そのような状態から丁寧に手ほどきをし、いろいろな選択肢を提示しながらゴールを目指す手助けをしてくれるのが、よいパートナーといえるでしょう。

 一般的に、家づくりは医療と似ているといわれます。初めて経験する痛み(家づくり)を抱えた患者(建て主)は、何が原因なのか不安でしかたありません。そして、どうすればいいのかもわかりません。

 その痛みをなくす(成約)ために、医者(パートナー)は最善の治療法(家)を見つけ出します。そのためには、どこがどのように痛いのか(どのような家にしたいのか)をヒアリングし、いちばんいい方法で回復へ向かわせるのです。

 このように、建て主の不安を丁寧に解決し、一生の買い物をする相手としてふさわしい業者こそが、あなたのパートナーにふさわしいのです。

よいパートナーに巡り合うためのチェックポイント

 もちろん、業者も商売として家づくりをしているので、どこかで自分の利益を考えています。しかし、そのなかでもお客さん目線を失わずに接してくれる業者を見つけることで、家づくりが成功に向かいます。

 ハウスメーカー、工務店、建築家のどれを選ぶのか、正解はありません。ハウスメーカー同士でも会社によって各社さまざまな仕様があり工法も違います。細かなことを言い出してはキリがありません。大切なのは、「家づくりをする」ことだけが目的になっているのではなく、「建て主の生活を考える」「建て主の不安を解消する」ことを最優先してくれること。そうしたスタンスの業者が、望ましいパートナーといえます。

 たとえば、建物の仕様やデザインの話に終始する業者、とにかくスケジュールを早く決めたがる業者は、お客さん目線とはいいがたいものがあります。逆に、土地探しや資金計画などの準備段階からいろいろな相談に乗ってくれたり、建て主の要望をどんどん聴き出してくれたり、建て主が不安に思っていることを解決する方法を教えてくれたりすると、「この業者に頼みたい」と思うはずです。

 このように、建て主とともに歩んでくれるパートナーを選ぶことができれば、あなたの家づくりの第一歩は大成功といっていいでしょう。

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この記事を書いた人

株式会社フェリーズディア 取締役チーフコンサルタント

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 1958年、大阪府大阪市生まれ。創価大学法学部卒業。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。 一生に一度の買い物ともいえる住宅の購入をアシストできる人材を育成し、業界の健全な発展に貢献すべく活動中。

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