ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

土地選びの基礎知識(7/8)

土地を見学する際はここをチェックしよう

菅 正秀菅 正秀

2016/01/23

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

昼夜の違い、天候の違いを確認しよう

 土地の見学を一度で終わらせてしまうと、いろいろと見落としが発生しがちです。そこで、土地を見学する際のポイントをまとめてみました。

 まずは昼夜の違いがあります。見学の時間を特定の時間だけにしてしまうと、日当たりの問題に気づかない恐れがあります。午前中には気にならなかった高い建物のせいで、午後は日影ばっかりになってしまう、なんてこともあるので要注意です。太陽が一番低くなるのは冬なので、できればこの季節の日当たりをチェックできるのがベストです。

 そして、天気によっても印象が大きく変わります。「雨の日に見学?」と思うかもしれませんが、悪天候にこそ問題は発生することが多いので、雨水の流れや水はけはチェックしておきましょう。風の向きや強さによっては、イヤな臭いが届くこともあるかもしれません。

 最後に、平日と祝祭日の違いも重要です。家族で見学する場合、必然的に休日になってしまうとは思いますが、平日の雰囲気・騒音などもチェックしておくと、後々のトラブルを避けられます。ですので、平日・祝祭日の両方で見学することをおすすめします。

見落としがちなインフラ環境

 土地の見学の際、見落としがちなのがインフラ環境です。敷地周辺のインフラ環境がどのようになっているのかをチェックし、もし問題があれば工事が必要になります。特に、水道・電気・ガスなどのライフラインが整備されているかどうかは最重要チェックポイントです。

 まず上水道(給水)が引き込まれているかどうかは、止水栓の有無で確認しましょう。止水栓がない場合は引き込みがないので、自費で水道管を引かなければいけません。詳細は水道局で調べることができます。

 そして、下水道(排水)については、敷地に接するマンホールの有無をチェックします。マンホールがない場合は、浄化槽を新設することになります。同時に、雨水などを流す側溝の有無もチェックしておきましょう。ない場合は下水道同様新設となります。詳しくは、行政(下水道局)に問い合わせましょう。

 ガスや電気についても、設備の有無で判断します。ガス本管からの引き込み位置をチェックし、あれば都市ガスを利用できます。ない場合は、オール電化にするかプロパンガス・灯油を利用することになります。電気は、送電方式(架線と埋設線があります)と引き込み位置をチェックし、そのまま使えるか移動が必要かを判断します。詳しくは、管轄のガス会社、電力会社に問い合わせましょう。

理想の見学方法とは?

 このように、土地の見学時にはイメージ的な部分とインフラ設備的な部分の両方をチェックしておきましょう。理想的なのは春夏秋冬・昼夜のすべてのタイミングで見学を行ない、住みやすさ・住みにくさをチェックできればいいのですが、現実的には不可能です。そこで、ここまでに紹介したポイントを最低限のラインとしてチェックしてみてはいかがでしょうか?

 そして、見学時には敷地内はもちろんちょっと離れた位置、たとえば道路の反対側からも見てみましょう。敷地内の中心に立ち、建物の場所や玄関の位置、そのほかの間取りやカーポートなどをイメージできます。実際の生活を想像し、家づくりに役立てましょう。そして土地を俯瞰で見ることで、街並みに溶け込んだ家を想像してみましょう。そうすることで、家が完成した時のイメージにどんどん近づき、理想の家づくりの一歩が踏み出せるのです。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

株式会社フェリーズディア 取締役チーフコンサルタント

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 1958年、大阪府大阪市生まれ。創価大学法学部卒業。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。 一生に一度の買い物ともいえる住宅の購入をアシストできる人材を育成し、業界の健全な発展に貢献すべく活動中。

ページのトップへ

ウチコミ!