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不動産取引をめぐる見えないお金の流れ(2)

不動産業界の悪しき慣習、「担当者ボーナス」とは?(3/3ページ)

大友健右大友健右

2015/12/25

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もし、営業マンが売りたいと考えている「物件A」と、「物件A」よりも価格が高い上に築年数も古くボロボロの「物件B」、「物件C」を並べられて、「お客さまのご予算ですと、おすすめの物件はこの3つです」と言われたらどうでしょう。

自然と、「物件A」が魅力的な物件に見えてしまうのではないでしょうか?

こうやって担ボーつき物件に狙いを定めて、年に5~10棟も販売できれば、給与所得以外に数百万円の利益を得ることができるわけですから、そうした営業マンはめずらしくありません。
20代、30代の若さでベンツやBMWといった高級車を乗り回している営業マンがいるとすれば、そのような濡れ手に粟の方法で稼いでいる可能性は否定できないでしょう。

こんな話を聞いたら、「売れ残り物件で荒稼ぎをしているなんて、ふざけるな! 悪徳業者め」と、怒り出すお客がいても不思議ではありません。
しかし、本当の意味で悪徳なのは、営業マン個人なのではなく、このようなことが当たり前のように行なわれてしまう、不動産業界の文化、慣習なのだと私は考えています。

今回の結論
●仲介手数料のほかに、不動産会社の営業マンは売り主から担当者ボーナス(担ボー)という報酬を受けとることがある
●担ボーがつくのは、不人気で売れ残っている物件などを売ったときが多い
●担ボーつき物件を年に5~10棟も販売すればかなりの収入になるため、これを熱心に売ろうとする営業マンは少なくない

 

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この記事を書いた人

株式会社ウチコミ 代表取締役 株式会社総研ホールディングス 代表取締役 株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役 1972年生まれ。大手マンション会社で営業手法のノウハウを学んだのち、大手不動産建設会社に転職。東京エリアにおける統括部門長として多くの不動産関連会社と取引、不動産流通のオモテとウラを深く知る。 現在、株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役として、住宅リフォームを中心に事業を展開。また、株式会社ウチコミ 代表取締役として、賃貸情報サイト「ウチコミ!」を運営。入居の際の初期費用を削減できることから消費者の支持を集める。テレビ・新聞・雑誌などメディア出演も多数。

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