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シェアハウスだけではない アパマン不正融資も――被害者が語るスルガ銀行不正行為の実態(3/5ページ)

大谷 昭二大谷 昭二

2021/08/27

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さらにスルガ銀行・首都圏営業の職員は「カードローン(リザーブドプランPLUS・限度額200万円)」と「キャッシュカード(Visaデビット付キャッシュカード・限度額700万円)」の申し込みを促した。「スルガ銀行の職員から、融資をするにはこれも入らないとダメだという説明があったと思います」とAさんはそのときの状況を話す。

また、もう一人いたスルガ銀行の職員から、大手生命保険の積立保険(月額1万円)と15万円の定期積立預金、そして200万円の定期預金が、融資の条件と提示される。

「自分は預金していませんが、あとで通帳を見ると200万円が定期預金されていました。融資の中から200万円が預金されたのだと思います」(Aさん)

不動産会社代表に預けた実印と2つの銀行通帳はこのときに返却されている。


ある被害者の銀行通帳(Aさんの通帳ではありません)

この日は、重要事項説明書や売買契約書、融資の申込書や保険、カードローン、キャッシュカード、定期預金など、さまざまな書類に言われるがまま署名捺印したものの、それらの控えはその場で渡されることはなく、後日、郵送で送られてきた。

「売買契約書と重要事項説明書は原本ではなくコピーで、収入印紙も貼られていませんでした。手付金も100万円払ったとなっていますが、金銭は一切払っていません。また、売買代金の土地と建物の内訳や消費税額の記載もありませんでした」(Aさん)

融資の条件とされた生命保険への加入にあたり、健康診断が必要だと言われ診断を受けたAさんだったが、その後、不動産会社代表から「肝臓の数値が高いと指摘を受けましたが、なんとかします」と言われたという。

不正行為の実態 その中身とは

Aさんの例のように、スルガ銀行の融資では多くの不正行為が行われていた。それらの不正行為を整理すると次のようになる。

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この記事を書いた人

NPO法人日本住宅性能検査協会理事長、一般社団法人空き家流通促進機構会長 元仲裁ADR法学会理事

1948年広島県生まれ。住宅をめぐるトラブル解決を図るNPO法人日本住宅性能検査協会を2004年に設立。サブリース契約、敷金・保証金など契約問題や被害者団体からの相談を受け、関係官庁や関連企業との交渉、話し合いなどを行っている。

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