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地域創生に尽力する山本カヨが語る「福岡の魅力」と「ほど良いビジネス感」 みんな、福岡へ来てみんしゃい!(3/3ページ)

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障がい者支援と地域創生がテーマ

──そして現在、インターネットテレビ局『バーター☆ビレッジ』を主宰されています。どのようなテレビ局なのでしょうか。

「バーター」とは、「持ちつ持たれつ」というような意味があり、情報の拡散をテーマにしています。視聴者が見るだけでなく、自由に情報を発信できる動画配信のテレビ局です。頑張っているアスリート、障がい者、お店を経営している街の人々など、みんなが地域の言葉で話して情報を伝えていく。電波の中のビレッジ(村)のような感じでいろいろな情報を共有できたらいいなと思って活動しています。

九州のローカル情報が満載の『バーター☆ビレッジ』

 

──具体的にはどのような内容の動画があるのでしょうか。

主に、障がい者支援や地域創生がテーマとなっています。九州ローカルの情報を中心に、幅広い世代の視聴者が楽しめるよう、グルメ、観光、スポーツ、ビジネス、アイドル、音楽、ファッション、ギャンブル、サブカルチャーなどさまざまなジャンルの番組をお届けしています。

──障がい者支援については、始めるきっかけがあったのでしょうか。

デフリンピックというろう者のオリンピックがあるのですが、12年前、その日本代表のバスケットボール選手に出会ったことがきっかけです。彼が、「カヨさん、いつも見ていますよ」と話しかけてきてくれました。私が彼に「頑張ってね」と言ったとき、ちょっと暗い顔をしたんです。彼は、デフリンピックに参加するための資金の調達に悩んでいました。当時、デフリンピックは国から出る予算がまったくなく、全部自腹だったそうです。そこで、私のホームページのスポンサーの方々に協力の依頼をしました。その後、番組も作りました。いまでは、番組制作者や出演者に障がいを持ったメンバーも増えていっています。しかし、NPO法人などを設立しているわけではないので、みんな自己管理で番組を制作しており、私はできる限りの支援を続けていくという形をとっています。

──そのほか、なにか活動をしていますか。

カヨリンピックというボーリング大会を毎年開催しています。約50人ずつの健常者vs障がい者で試合をするんです。ハンディもなし。これまで7回開催したうちのほとんどが、障がい者が優勝しているんですよ。もうひとつ、文化交流イベント行っています。脊髄損傷したにもかかわらず、素晴らしい動物の絵を描く少年がいるんです。彼は「個展を開きたい」と話していました。そこで、お父さんとお母さんに「個展を無料でやったらだめですよ、とりあえず作品を集めましょう」と、スポンサーにも声をかけて個展開催を実現しました。いまでは、運送会社の方々の協力を得て、障がいを持つ子どもたちの絵をトラックに積んで移動する移動美術館も運営しています。

バータービレッジのオフィスにある脊髄損傷した少年が描いた絵。カヨさんの動物占いは「トラ」だそう 

──地域創生の取り組みについても教えてください。

地域創生に関しては、何をしているというほどのことでもないんです。街の方々が、「お祭りがあるから、カヨさんのSNSで紹介してもらってもいいですか」などと相談に来ることがあるんです。もちろん私も紹介しますが、「自分たちでもフェイスブックでアカウントを作って発信するといいんじゃない?」といったアドバイスもしています。自分たちで取材をして、自分たちで写真や記事をアップしてもらう。それを私もシェアするという形です。バータービレッジでも、このようにして出会った人々と「こんなことがやりたいんですよね」といったアイデアが出たら、それを広げていく番組を地道に作っているという感じです。相手の方に「出会って良かった」と思ってもらえるように動いています。

──福岡でのビジネスも視野に入れている、賃貸住宅オーナーやビジネスパーソンにアドバイスをお願いします。

たとえば、アジア展開を考えているビジネスマンは、福岡を中継点に置く方も多くいらっしゃいます。福岡からであれば、東京に行くのも上海に行くのも同じくらいの距離ですし、韓国なら船で2~3時間です。旅行でも、東京よりも中国や韓国に行く方が安いんです。それから、福岡は食を通してコミュニケーションが成り立つ場所だと思います。“観光”という意味ではあまり自信がないのですが、食に関してはみなさんに喜んでいただける場所がたくさんあります。最後に人付き合いですが、福岡の人はおせっかいな部分も持っている人も多いので、心を開けば深い付き合いができるはずです。しかし、そこまで干渉してほしくないと思えば、その気持ちを読み取ってくれる人も多いと思います。その点では生活もしやすいのではないでしょうか。都会感と田舎感がちょうどよく融合されており、頑張ることもできる、頑張り過ぎないこともできる。福岡はほどよくビジネスができる場所だと思います。みんな、福岡へ来てみんしゃい!

【プロフィール】
山本 カヨ(やまもと かよ)
有限会社バータービレッジ 代表
福岡県出身。テレビ司会者やコメンテーター、タレントなどとして福岡を拠点に活動する。2013年4月、自由に情報を発信できるインターネットテレビ局を開局、2019年に『バーター☆ビレッジ』としてリニューアル。グルメや観光、スポーツ、ビジネス、アイドルなどさまざまなジャンルの番組を配信し、障がい者支援や地域創生の一翼を担っている。

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この記事を書いた人

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。

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