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賃貸の初期費用ゼロのカラクリ

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■「初期費用ゼロ」のカラクリ

「初期費用(敷金・礼金・保証金)がゼロです!」という広告を最近よく見かけます。初期費用は家賃の6カ月分かかると言われていますから、それがゼロになるとすれば素晴らしいことだと言えるでしょう。

しかし、前項の「賃貸の初期費用の相場」でも見たとおり、実際の初期費用は6カ月分を超えることもしばしば。しかも、「初期費用(敷金・礼金・保証金)がゼロ」という具合にわざわざ「敷金・礼金・保証金」と書いてあるのはなぜかと言えば、前家賃はゼロにはならないからです。前家賃は2カ月分取られることが多いのでしたね。

「得だと思って契約して、後で計算してみたら他のアパート・マンションと大差なかった」ということもあり得ます。賃貸情報を取り巻く現状には複雑な部分があるので、あまりキャッチコピーに一喜一憂しない方が良いでしょう。この項では初期費用が安い賃貸情報の裏側をご紹介します。

■本当に「ゼロ」なのか

まず敷金に注目してみましょう。敷金は担保として預ける保証金のような役割を果たしています。退去する際の原状回復や、家賃を滞納してしまった時に代わりに支払いに使われる費用なのです。この敷金がゼロだとどうなるか。

退去時に部屋のクリーニング代や修繕にかかる費用が全額自己負担になります。入居して数年経てば敷金がゼロだったことを忘れてしまうこともあるでしょう。それなのに退去時に原状回復費用を請求されると、面食らってしまうかもしれません。

また、敷金は部屋を綺麗に使っていればほぼ全額戻ってくることもあります。ところが、敷金ゼロの物件では、通常の相場に上乗せした家賃を設定している場合もあるのです。当然、上乗せされた家賃は戻ってきませんし、長く住むほど損をすることになってしまうので、注意が必要です。

他にも、敷金の代わりに鍵交換代やクリーニング代などを請求されたり、必ず鍵交換などが条件になっている(当然費用がかかります)ケースもあります。この場合、敷金ゼロはただのキャッチコピーで、不動産業者は損をしないようになっているわけです。

ただし、礼金ゼロの場合は素直に喜んでも大丈夫です。礼金は昔からの慣習のようなもので、大家さんにとっては言わば臨時収入。礼金はもらえなくても、空室が埋まることを希望する大家さんもいるのです。また、UR賃貸住宅や公的融資等を利用して建設されたマンションやアパートでは礼金を受け取ってはいけないことになっているので、礼金ゼロは当然のことになっています。

■「初期費用ゼロ」が有効な選択肢になる時

他にも初期費用が安い物件は、駅から遠い、住環境が悪いなど、人気がないので入居者を確保するために安くしているケースもあります。

もちろん、初期費用が安い不動産会社には営業努力によって経費節減を実現しているところもあります。例えば、インターネットを主に使って集客している不動産会社は、一般的な紙媒体による広告宣伝費や人件費がそれほどかかりません。

その分、仲介手数料などの初期費用を抑える一方、問い合わせや内見については誠心誠意対応することでバランスを取っている会社もあるのです。

先立つものはないけれど、どうしても引っ越したい時には初期費用ゼロの物件は有力な選択肢になるはずです。予算や居住予定年数なども考え合わせて、最適な物件探しをしたいものですね。

気に入った物件であれば初期費用をある程度支払っても入居したいなと思ってしまいます。しかし、お金がなければどうしようもないと思っている方にオススメな特集があります。

ウチコミ!では初期費用の負担を軽減できるように初期費用を分割の相談に乗ってくれる物件や初期費用をカードで支払える物件の特集をしています。

大家さんに相談して初期費用を分割で支払ったり、カードで支払いをして、カードの機能で分割払いにするなど工夫をすることで気に入った物件に初期費用の負担をおさえて入居することが可能です。気になる方はこの特集をぜひ見てみてください。

 

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この記事を書いた人

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