「ぼっち」の賃貸生活を楽しくする――誰もやらないけれどやってみてよかったこと(4/4ページ)
朝倉 継道
2021/07/02
賃貸住まいは、本当は地域に飛び込みやすい
以上、「『ぼっち』の賃貸生活を楽しくする、誰もやらないけれどやってみてよかったこと」をまったくの私的な体験にもとづいて書いてみた。
なお、幸いにして、私はこれまで経験したことはないが、住まいとその近隣をめぐる人間関係については、もちろんよいことばかりではない。リスクもある。
隣人との思わぬ軋轢や対立を抱え、深刻に悩んでいる人も、全国津々浦々には少なくないはずだ。
そのうえで、ちょっとズルい考えかもしれないが、ひとつ指摘しておきたい。
賃貸住宅に住む人は、もしも嫌になれば、そういった面倒な人間関係を捨ててその場を離れるのは簡単であるということだ。つまり、環境を変えやすいのが賃貸住宅のメリット。
そう。裏を返せば賃貸住宅の住人のほうが、地域のコミュニティには気軽に飛び込みやすいのだ。このことは、多くの人がいまは忘れているが、古い人はぜひ思い出してみてほしい。
はるか昭和の昔や、もっと過去の人々など、メリットとしてこれを十分に享受していたといえるだろう。
この記事を書いた人
コミュニティみらい研究所 代表
小樽商業高校卒。国土交通省(旧運輸省)を経て、株式会社リクルート住宅情報事業部(現SUUMO)へ。在社中より執筆活動を開始。独立後、リクルート住宅総合研究所客員研究員など。2017年まで自ら宅建業も経営。戦前築のアパートの住み込み管理人の息子として育った。「賃貸住宅に暮らす人の幸せを増やすことは、国全体の幸福につながる」と信じている。令和改元を期に、憧れの街だった埼玉県川越市に転居。