ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

「ぼっち」の賃貸生活を楽しくする――誰もやらないけれどやってみてよかったこと(2/4ページ)

朝倉 継道朝倉 継道

2021/07/02

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

町内会に入りご近所は知り合いだらけに

賃貸一人暮らしをしながら、私は町内会に入ったことがある。

ちなみに、町内会や自治会といえば、多くの地域でいまは老人会だ。なので、そのとき私はすでに結構な歳になっていたが、「若者だ。珍しい」ということで大いに歓迎された。

入ると、環境は一変した。住んでいる小さな賃貸マンションの、お向かいも、お隣も、斜め向かいも、そのまた隣も、すべての家の方が、皆さん顔見知りとなった。

朝昼、出かけようとエントランスをくぐれば、「いってらっしゃい」の声が近くの庭から聞こえてくる。

夜道を帰ってくれば、「おかえりなさい」の声が、これから散歩に向かう飼い犬のうれしそうな吐息とともに、お隣の玄関から響いてくる。

要は、つねに見守られているということ。何かあれば、助けを求め、飛び込める場所が、自分の周りにいくつもできたのだと、そのとき深く実感した。見知らぬ土地に一人で暮らしていて、こんなに心強いことはなかった。

逆に、ご近所の方からも、私は大変感謝された。

「誰が住んでいるのか、得体の知れない集合住宅がそばにあるのがこれまで不安だった。顔見知りがいると本当に安心だ」

そのため、私がこの物件から引っ越すことになった際は、皆さんが別れを惜しんでくれた。

冬の夜、一緒に防犯防火の夜回りをしたり、春夏、共に路上清掃に汗を流したりした皆さんとは、いまも交流が続いている。

次ページ ▶︎ | 物好き? おせっかい? 物件の掃除を買って出た

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

コミュニティみらい研究所 代表

小樽商業高校卒。国土交通省(旧運輸省)を経て、株式会社リクルート住宅情報事業部(現SUUMO)へ。在社中より執筆活動を開始。独立後、リクルート住宅総合研究所客員研究員など。2017年まで自ら宅建業も経営。戦前築のアパートの住み込み管理人の息子として育った。「賃貸住宅に暮らす人の幸せを増やすことは、国全体の幸福につながる」と信じている。令和改元を期に、憧れの街だった埼玉県川越市に転居。

ページのトップへ

ウチコミ!