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緊急事態宣言解除後の不動産収入対策(2/2ページ)

森田雅也森田雅也

2020/06/05

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2.個人事業主の賃貸人について

個人事業主として家賃収入を得ている場合に、家賃の減額や退去に伴い家賃収入が減少した場合には、持続化給付金が支給されます。
持続化給付金の要件(個人事業主の場合)は概ね以下のとおりです。

⑴ 2019年以前から事業により事業収入を得ており、今後も事業を継続する意思があること。
⑵ 2020年1月以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月が存在すること。

コロナウイルスの影響で家賃減額に対応しなければならなかった場合や、閉店・倒産などで退去してしまったなどの場合などに要件を充足していれば支給されます。
また、家賃減額などに応じて家賃収入が減少した場合に、来年度における固定資産税・都市計画税の減免制度もあります。

3.法人の賃貸人について

家賃収入を法人として得ている場合にも、要件を充足する場合には持続化給付金の支給対象となります。要件は、個人事業主の要件に、以下の要件が加わります。

⑶ 2020年4月1日時点において次のいずれかを満たすこと。
①資本金の額又は出資の総額が10億円未満であること。
②資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、常時使用する従業員の数が2000人以下であること。

また、来年度における固定資産税・都市計画税の減免制度のほかにも、営業に被害が生じている取引先(飲食店など)の家賃を減免すると、通常時は、家賃の減免は寄付金扱いになりますが、災害時と同様にその免除による損失の額は、寄付金の額に該当せず、全額損金として計上することができることが明確化されました。税務上の損金として計上することができれば、その分の所得が減少する計算になるので、法人税の支払い額を抑えることができます。

以上のように、不動産投資を事業規模で行っているのか、個人事業主として行っているのか、法人化しているのか、賃借人はテナントなどの事業者なのか、居住用の個人なのかなどによってどのような対応がとれるのか、どの支援金・給付金が受給できるのかが変わってきます。今後、賃借人の対応などに迷われましたら弁護士に相談してみて一緒に解決策をみつけるのがよいでしょう。

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この記事を書いた人

弁護士

弁護士法人Authense法律事務所 弁護士(東京弁護士会所属)。 上智大学法科大学院卒業後、中央総合法律事務所を経て、弁護士法人法律事務所オーセンスに入所。入所後は不動産法務部門の立ち上げに尽力し、不動産オーナーの弁護士として、主に様々な不動産問題を取り扱い、年間解決実績1,500件超と業界トップクラスの実績を残す。不動産業界の顧問も多く抱えている。一方、近年では不動産と関係が強い相続部門を立ち上げ、年1,000件を超える相続問題を取り扱い、多数のトラブル事案を解決。 不動産×相続という多面的法律視点で、相続・遺言セミナー、執筆活動なども多数行っている。 [著書]「自分でできる家賃滞納対策 自主管理型一般家主の賃貸経営バイブル」(中央経済社)。 [担当]契約書作成 森田雅也は個人間直接売買において契約書の作成を行います。

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