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火災保険の無駄をなくす

意外と多い重複契約――しっかりとした補償を管理するには(2/3ページ)

平野 敦之平野 敦之

2019/12/21

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重複契約した場合の取り扱い

実際に火災保険が重複して複数の契約に加入してしまった場合の取り扱いをみていきます。具体的に保険金がどのように支払われるかというのは最も気になるところでしょう。

住宅であれば建物や家財もしくはその両方を目的として火災保険の契約をしますが、保険金の支払いは適正な評価額で契約した金額が限度です。

本来火災保険は火災や台風などで損害を受けたときに修理したり、再築・再購入をするためのものです。被害を受けたのに複数から保険金が限度なく支払われたら儲かってしまい、むしろ被害に遭ったほうがよくなってしまいます。

火災保険契約が重複する主なパターンを見ましたが、この中で問題がないのは建物と家財をそれぞれわけて加入しているケースです。複数契約ではありますが、火災保険をつけている目的が別々なので重複とは意味が異なります。

また損害保険会社同士でも2社足して適正な評価額であれば、双方の保険会社に告知しておくことが必要ですがこれはこれで駄目ではありません。

もっともこうした契約形態はメリットが何もないのでおすすめしません。災害などで被害を受けたら2つの損保会社とやりとりが必要なので面倒なだけです。また評価額は適正範囲におさまっていても、補償内容が異なると片方からは保険金がでるのに、片方からはでないというややっこしいことにもなりかねません。

一番よくないパターンは同じ対象に完全に契約が重複することです。適正な評価額を超過するかたちで無駄な保険料をかけてしまいます。他にも共済契約と火災保険を建物など一つの目的に重複しないようにしましょう。

理由は共済と損保それぞれで相手の契約の取り扱いが異なる可能性もあるからです。それぞれ規定は異なるので一概には言えませんが、相手の契約を有るものとする、あるいは無いものとしたりすることもあります。

火災保険で保険金の請求をするということは、住まいに何らからの損害や問題が発生しているときです。そんなときに火災保険の契約が重複していることで保険金の支払い手続きが遅れてはストレスになるだけです。

次ページ ▶︎ | 火災保険を重複して複数加入しないようにするポイント 

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この記事を書いた人

平野FP事務所 代表 CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。「Mylife Money Online」のURLはコチラ→ http://mylifemoney.jp

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