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38年ぶりの相続大改正

時系列で見る改正のポイント(3/3ページ)

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●2020年4月1日

▽配偶者居住権の創設

今回の相続の改正で一番大きなポイントになったが、この配偶者の居住権の創設だ。これまでも判例で、相続後の短期的な居住権は認められてきたが、配偶者の生活保障という観点から創設されたのがこの「配偶者居住権」である。これは相続発生後、住んでいた自宅の土地建物の所有権は配偶者以外の相続人に移っても、被相続人の配偶者は終生、無償で住んでいた自宅に住み続けられるという権利である。

具体的な事例として、残された財産は評価額2000万円の自宅不動産、預貯金2000万円の合計4000万円を配偶者と子の2人が法定相続したケースでは、これまで配偶者が住み慣れた家(2000万円)を相続し、残りの現金2000万円は子が相続するというのがよくある遺産分割のパターンだった。しかし、これでは配偶者には現金の相続がなく、一人になってからの生活への不安が残る。
そこで改正によって配偶者の「居住権」を認め、自宅評価額の2000万円から配偶者は家の「居住権」の評価額を500万円として相続。残り1500万円分を「所有権」として子が相続。預貯金の2000万円については、配偶者が1500万円、子が500万円相続する。これで配偶者の手元に自宅と現金が残り、住むところと現金が確保される。

●2020年7月10日

自筆遺言証書の法務局での保管

自筆遺言証書は自分自身で作成するため、誰にでも書くことができる。そのため書いたあとに紛失したり、改ざん、隠ぺいされることも考えられる。そこでこの遺言を法務局に保管してもらい、その存在があることを家族に伝えておけば、こうした問題は防ぐことが可能で、20年の7月からはそれが可能になる。ただし、法務局は、単に遺言書を保管しているだけでは内容について保証しているわけではない。

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