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相続税を考える上での最大のポイント

土地の特例が使えると相続税が大きく変わる!(3/4ページ)

原由香原由香

2019/06/20

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知らないと損をする適用のポイント

この特例が受けられるかどうかで税額が大きく変わることから、わが家の場合は、受けられるかどうか? といった質問をたくさん受けます。
適用できるかのポイントをいくつかご紹介したいと思います。

(1)同居と思っていたら、同居でなかったケース
1階に親世帯、2階に子供世帯というような二世帯住宅について、ほとんどのお家は1つの建物として登記されています。1つの建物に一緒に住んでいるので「同居」です。
しかし、中には一階と二階を別々の建物として登記していることがあります。この場合、中で繋がっていて、一緒に住んでいても「同居になりません」
それぞれがお金を出した場合には、そのお金を出した割合で登記する必要があります。その時の登記方法には2種類あり、半分ずつ出したので、1つの建物を2分の1ずつ持っているという「共有登記」と、1階はお父さん、2階は息子というように別々の家として登記する「区分登記」があります。
どっちかな? と気になる場合には「登記簿謄本」で確認することをお勧めします。また、4月から6月に届く固定資産税の通知書でも確認ができます。共有の場合には宛名のところに「〇〇様他〇名」といった記載があります。
他にも、実家の隣に家を建てて、渡り廊下などで繋がっている場合にも、別々の建物として登記されている場合は「同居になりません」

(2)同居していなかったが、同居となるケース
ずっと一緒に住んでいたが、病気で何か月も入院していた、といった場合は「同居」となります。病気が治ったら戻ってきますので、入院していたような場合は同居となります。
また、介護が必要な状態になって、自宅での生活が大変になったので、もう何年も老人ホームに入っています、といった場合も「同居」となります。入院に比べると戻ってくることは少ないかもしれませんが、介護度が改善して戻ってくることもあるためです。
ただし、介護の必要性からではなく、元気なうちから老人ホームに入った場合は、単なる引っ越しとなりますので、老人ホームが自宅となります。

(3)生活の拠点が何処か? が問題になる
住民票だけを移して同居しているように見せるケースは、とても危険です。私が申告のお手伝いをする時にはリスクが大きいので絶対に適用しません。
家族と離れて同居している状況が不自然だった場合には、税務署は調査すると思って下さい。調査で見つかった場合には、適用しないで計算した差額の税金を払うだけではなく、少なく申告した罰金と延滞税がかかります。正しく申告することが1番の節税になります。

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この記事を書いた人

税理士、ファイナンシャルプランナー( CFP) ペンデル税理士法人 勤務

税理士とファイナンシャルプランナーの資格を有し、法人や個人の確定申告や相談業務を経て、現在は主に、相続税の申告や対策、相談業務に従事。2011 年より、大手生命保険会社にて定期的な相談会の開催や、顧客への同行訪問を行っている。相続税の相談件数は年間 150 件超。 前職で専門学校講師をしていた経験を活かし、相続についてのセミナーなどを行っている。

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